◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「きら、ぼしのごとく」って?

2009-06-21 09:35:44 | 気になる言葉、具体例
                       きら星のようだ
 40代、それとも50代かな、ベテランのリポーターが「きら、ぼしのごとく」と言いました。聞いた瞬間、へ? ぼし? と笑ってしまいましたが、「綺羅」を知っていたからこそ迷った、ということでしょうか(⌒ー⌒)。ちなみに、「きら」のイントネーションは「デスノート」のキラと同じ、 ̄_でした。
 ちゃんと辞書に載っている誤用というのがありますね、あまりにも広く使われているから載せてあるけれど、誤用は誤用、でも、「きら星(きらぼし、_ ̄__)」は、もともと誤用だけれども、「美しく輝く星」という意味で「きら星」という新しい言葉に昇格(?)しています。そして、「きら星のごとく」で「美しく輝く星のように」という意味になります。
 もともとは「綺羅(きら、 ̄_)、星のごとく」で、「綺羅」は正装して着飾った人という意味です。例えば、「綺羅、星のごとく居並ぶ」は、正装して着飾った人が大勢いるということを言っているわけです。数え切れないほど多いことを「星の数ほど」と言いますよね。
 このリポーターは「 ̄_、_ ̄のごとく」というイントネーションだったのですが、なぜか「きら、ぼしのごとく」だったわけで、「綺羅、星」と「きら星」が交ざっています。ひょっとして、原稿が「綺羅星のごとく」だったのかなぁ? それで ̄_と言ってしまったけれど、意味は「きら星」のほうだったから慌てて「きらぼし」に切り替えた、ということでしょうか?
 もう一つ面白いの、ありましたよ~ん(⌒・⌒)。「消えた杏仁豆腐の瞬間」と聞こえたので何かと思ってテレビ画面を見たら、「消えた犯人逮捕の瞬間」と書いてありました。消えた、つまり、逃走して行方が全く分からなかった犯人を逮捕する、その瞬間、ということですから、「消えた犯人、逮捕の瞬間」ではないですか? 「犯人」と「逮捕」を続けて言って、しかもイントネーションが「杏仁豆腐」ですからもう訳が分からない。「犯人逮捕の瞬間」が消えた、逮捕できなかった、というふうに聞こえます。
 「綺羅、ぼし」の人も、「消えた杏仁豆腐」の人も、それで飯を食っている人、プロでしょう? プロがそんなことでどうするの( ̄ ̄)?
コメント
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