◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

みんな「へ」が大好き。

2012-02-12 09:15:52 | 気になる言葉、具体例
                            ハムやん、ご機嫌いかが?

 放送業界の人たちは何事も大げさなのが好きですから、「明らかになる」を「明らかとなる」に変えてしまいました。とはいえ、さすがに書くのは抵抗があると見え、テロップは「明らかに!」ですけどね。それから、「子どもへ投資」と書いてあるフリップ、そのまま「子どもへ投資」と言うアナウンサー、皆さんはどう思いますか? 本来、「へ」ではなく「に」で、「子どもに投資」なのですよ。
 「終わるとすぐマンションへ帰宅」というナレーション、別に変じゃないよという人のほうが多いでしょうけれど、私は大げさだなぁと感じます。ある感慨を持って「うちへ帰ろう」と言うなら話は別ですけどね。あるいは、「帰宅」を省略して「終わるとすぐマンションへ」ならいいのですが、「帰宅」まで言うのなら「終わるとすぐマンションに帰宅」で十分です。「へ」の大安売りはやめましょうよ。
 「飽きられ?○○金髪へ」というYahoo!トピックスの見出しをクリックしたら「結成10年でイメチェン、金髪へ」と書いてありました。後者は、ありっちゃありかなぁと思わないでもないですが、前者はやはり「金髪に」です。だって、普通は「金髪にする」「金髪にしてイメチェン」で、「金髪へ」なんて言わないでしょ( ̄н ̄)!
 芸人が言った「○○へご宿泊ありがとうございます」も、例えば「ようこそ○○へ」なら「へ」でいいのですが、後に言葉を続けるのなら「○○にご宿泊(いただきまして)ありがとうございます」です。「ご飯をレンゲへ載せ」というナレーション、これも「ご飯をレンゲへ」か「ご飯をレンゲに載せ」か、どちらかです。
 「○○さんへ相談することに」は「ニュースJAPAN」のナレーションですが、正しくは「○○さんに相談することに」です。「○○さんへ相談」なんてありえない、明らかな誤りです。「中国へ対抗」「布団へくるまって」はgooのトップページで見た文ですが、「へ」は誤りで、「中国に対抗」「布団にくるまって」です。「布団へくるまって」と書いた人、ひょっとして「長い物へは巻かれろ」とか言うんですかね( ̄ー ̄)。
 それから、あるアンケートで、②に「①で『はい』と答えた方へ質問します」と書いてあって、こんなものまで「へ」なのかとあきれました。書いた人は「へ」のほうが「に」より丁寧な表現だと思っているようなのですが、それは違います。丁寧とかいうことではなく、「に」と「へ」は意味合いが違うのですよ。
 「に」より「へ」のほうが、大きい、高い、遠い、広い感じがしますから、大げさ大好きの放送業界が飛びつくわけで、実際、積極的に「に」を「へ」に置き換えてきましたが、一般人の文章を見てもかなりその影響を受けてしまっていると感じます。大げさに表現したいという意図はない、ないけれど、「へ」と書いてしまう、つまり、「に」が正しいのだと知らない、忘れている、「へ」に慣らされ、それが当たり前になっているのです。私は慣れませんよっ( ̄_ ̄)!
 ところで、この時期ですから「バレンタインなので、チョコ、もらってください」というのを何度も聞きましたが、大人は「受け取ってください」と言いましょうね。へ? 余計なお世話ですか(~_~;)?
コメント
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