◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「多額の損失を出した情報を入手」って?

2012-02-01 21:31:37 | 気になる言葉、具体例
                                  1番、優勝!

 「Jesus、Jesus」と言っているのに「神様、神様」と書いてあるテロップ、「Jesus」は「イエス(イエス・キリスト)」ですから「神様」とは違います。本人が確実に三位一体という前提で言っているのならしかたありませんが、日本人の多くはイエス・キリスト=神様だとは思っていないでしょうし、私も、イエスはイエスであって神様ではないと思っています。「神様」と書くのは安易すぎませんかねぇ?
 「1番きれいに見える」の「1番」は、1番、2番、3番の1番ではなく「最も」という意味なのですから「一番」と書くのが正しいのですが、テロップ入力作業者の間ではもうすっかり「1番」と書くのが定着しています。誤りだということはおぼろげに分かっている・・・と思うのですが・・・どうかなぁ?
 「女性が先物取引で多額の損失を出した情報を入手」は「情報7daysニュースキャスター」で見たテロップですが、「という」が抜けています。でも、抜けているのではなく抜いているのです。そう言わざるをえません。文字数を少なくしたいというより、「という」なんか書かなくていいんだよっ! という気持ちが見えます。だって、「この図はですね」などと、「え~」や「あ~」と同じ、書けば理解の妨げになるだけの「ですね」をわざわざ書くくらいですから文字数の問題ではないですよね。
 「女性が先物取引で多額の損失を出したという情報」なら、女性が先物取引で多額の損失を出したこと、それ自体が「情報」であり、そういう事実があるということがストレートに伝わりますが、「女性が先物取引で多額の損失を出した情報」だと、女性が先物取引で多額の損失を出した、「その原因となった情報」という意味になります。
 確かに「女性が先物取引で多額の損失を出した情報を入手」のほうが「女性が先物取引で多額の損失を出したという情報を入手」よりインパクトがあり、強く訴える感じがします。しますが、だめでしょ、実際は「女性が先物取引で多額の損失を出した」という情報を入手しただけなのですから。
 こういう違いを分かっていないのか、分かっているけれど、その影響を考えずに安易に抜いてしまっているのか、それとも、日本語を混乱させようという意思を持って故意に抜いているのか。それはない? でも、特に若い人、すでに混乱しちゃってますけど。それに、日本の「教育」と「放送」がやってきたことを考えればありえます。いずれにしろ、正しい日本語を意識しないのはまずいですよ(ーー;)。
コメント
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