◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「相変わらず横ばいの一途」って?

2012-07-01 09:13:47 | 言葉についてあれこれ
                              寝心地もいいトンネル

 けっこう遅い時間にやっていたような気がしますが、ちらっと見たドラマで「足音しか聞くことができませんでした」というセリフが聞こえました。じゃぁ、ほかに何が聞こえるのだろうか? ふんふん、なになに、座敷わらし? 笑い声とか、聞こえる人には聞こえるのだろうか(~_~;)?
 和服のおじいさんが、座敷わらしが出ると評判の旅館に泊まり、その姿を見たかったけれど見ることはできなかった、けれど、足音は聞いた、ということのようです。肝心なのは姿を見ることなのですが、それはかなわず、足音を聞いただけ。ということは「足音を聞くことしかできませんでした」です。
 「軽自動車でも通るのがやっと」というナレーション、軽自動車でもぎりぎりという狭いトンネル、だから、普通自動車は通れませんが、軽自動車なら通れるのです。トンネル、つまり、通路ですから、通れればそれでいいのです。それ以上、何をするっていうの? 通るだけでしょ、それなら「軽自動車でやっと」ですよ。
 小倉智昭が言った「熱いお茶を出しすぎたために」はどうですか。こういう言い方をしてしまうことはあって、言ってからちょっと変だなと思うのですが、しゃべりのプロだと豪語する小倉智昭はアウト( ̄д ̄)! 出したお茶が熱すぎてやけどしたという話ですから、「熱すぎるお茶を出したために」もしくは「出したお茶が熱すぎたために」です。「とくダネ!」を見るなら変な日本語に感染しないよう気をつけて。
 「死因は全てが判明していない」というテロップ、見たとおりなら、死因は全然分かっていないわけですが、このときのナレーションはというと「死因は全てが判明しているわけではない」です。つまり、一部は分かっているのですよ。変に省略して意味が変わってしまっています。
 「空港に行くには、より時刻が正確になることでしょう」というナレーション、一体だれが書いたんだか、まるで機械が書いた文みたいだぞっ。これは、公共車両優先システム導入により、空港へ向かうリムジンバスがもっとスムーズに行けるようになるという話ですから、「空港到着時刻がより正確になるでしょう」です。
 「相変わらず横ばいの一途」というナレーション、面白いでしょ?! 「増加の一途をたどる」で「増え続ける」という意味になりますが、「横ばいの一途」なんてだれも言いませんね、恐らくこの人たち(ディレクターとナレーター)だけです。こうして日本語は崩壊の一途をたどるのだろうか( ̄ ̄)。

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