◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「学生時代は名うてのアスリート」って?

2012-07-04 19:09:35 | 言葉についてあれこれ
                              やんごとないハムやん

 「学生時代は名うてのアスリート」という「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑」のナレーション、さらに、「名うてのヒットメーカーだ」という「プロフェッショナル 仕事の流儀」のナレーション、全くどうかしてる( ̄д ̄)! 「名うて」は、有名は有名でも悪いことで有名ということですからね、「名うての詐欺師」「名うての大泥棒」ですよ、アスリートやヒットメーカーに「名うて」はないでしょ!
 「名うて」なんて久しぶりに聞きましたが、私の感覚では、「名うての○○」の○○はみんな悪者なのです。辞書を引いたら、やはり「悪いほうに有名」と書いてありましたから、以前はもっぱらそういう使い方をしていたのです。だから自然にその意味を正しく理解したのでしょう。でも、今は、NHKにも正誤を気にする人はあまりいないようなので、自ら意識して学ばないとどんどんおかしくなりますよ。
 「やんごとなき理由ということで、私が代わりに」と言ったのはTBSの若いアナウンサー。NHKだけではありません。「やんごとない」は、非常に(身分が)貴いという意味ですから、「やんごとない生まれのおかた」など、日常の会話で使うことはあまりないですね。急な代役で気合が入りすぎちゃった? 「やむをえない理由があるということで、私が代わりに」ですよ。
 「○○桜は見紛うことなき信仰の対象となり」は「もしツア」のナレーションですが、「見紛うことなき(みまごうことなき)」って、これまた気合が入っていますね、余計な気合が(ーー;)。そういえば、「世界・ふしぎ発見!」のリポーターが「見紛うことなき10ドル紙幣」と言う場面を見たこともあります。手に持っていたのはニュージーランドのプラスチック製紙幣、本物の紙幣ですよ。
 「見紛う」は見誤るという意味で、例えば、ダイヤモンドのように細かいカットを施された美しいガラス玉を見たら「本物かと見紛うほどの輝き」と言います。「見紛うことなき」ですから、見誤ることなんかないということになりますが、ちょっと違うのですよ。これは間違いなく本物だと言いたいときは「紛う方(まごうかた)ない」で、「紛う方なき信仰の対象」「紛う方なき10ドル紙幣」なのです。あまりなじみのない言い方をするときは年配の人に確認したら ┐( ̄д ̄)г?

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