◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「心配そうにお話をします」って?

2024-04-21 10:09:02 | めちゃくちゃな敬語
                                   何も心配ないよ

 四大ぐだぐだ敬語「会う」「伝える」「知る」「話す」のうち、今回は「話す」について書きます。なぜ「話す」だけ? だって、「話す」に関する間違いが多過ぎて、ネタがたまりにたまってきたのでまとめて出すのですよ、それだけです (^^ゞ。
 「ちょっとうれしそうに、でもちょっと心配そうにお話をします。変なことを話してしまっているのかな。ドラッグとか幻覚などと思われないかな。そう心配しながらお話ししているのが伝わります。ですから、『そういうことはあるんですよ』、そうお話しするとほっと一息をつかれます」(2021/9/30 13:01 幻冬舎GOLD ONLINE)
 「お話をします」「話して」「お話しして」「お話しすると」って( ̄" ̄)、敬語の基本を全く知らない、主体(話し手)を意識していない、句読点も慣用句もおかしい、支離滅裂です。「変なことを話してしまっているのかな」だけシンプルで、それで合っていますが、それは相手の「心の声」を想像して書いている部分だからでしょう。
 「ちょっとうれしそうに、でもちょっと心配そうに話をします。変なことを話してしまっているのかな、ドラッグとか、幻覚などと思われないかな、そう心配しながらお話しになっているのが伝わってきます。ですから、『そういうことはあるんですよ』とお話しすると、ほっと息をつかれます」でしょ。「安心する」は「息をつく」です。
 「『中でも車椅子の女性とは長い間お話されていたのが印象的でした』(宮内庁詰め記者)」(2021/12/30 6:10 文春オンライン)って、宮内庁詰めの記者の言葉が「おはなしされて(お話しされて)」ですか( ̄" ̄)。皇后陛下について語っているのですから、せめて「話をなさっていたのが」ぐらい言えないと恥ずかしいから。
 「先生に『…』『…』と質問責めに(中略)台本にもお話しする場面はなかった?(中略)家に入って行った」(2022/4/3 6:00 文春オンライン「週刊文春」編集部)って( ̄д ̄)! ほかの番組では「先生を質問攻めに」するタモリさんなのに、「タモリステーション」(2022/3/18)では沈黙を貫いたということです。
 ロシアのウクライナ軍事侵攻について伝える番組だったのですが、ずっと沈黙していたことについて「台本にも話をする場面はなかった?」と質問したら、タモリさんは「お答えすることができない」と言って「家に入っていった」というわけ。「お話しする」は謙譲語ですよ、タモリさんに対する質問で「お話しする場面」なんてありえない!
 「彼女はそんな風に温かくお話してくださって、私は本当に涙が出そうでした」(2022/5/13 11:00 Jタウンネット)って尊敬語のつもり? ガキンチョか( ̄д ̄)! 「話す(はなす)」「話して(はなして)」でしょ、「彼女はそんなふうに温かく話してくださって」か「話をしてくださって」ですよ。
 「ずっとお話ししていると、いつの間にかKさんのペースに巻き込まれていくのです」(2023/1/12 6:50 @DIME 中野信子)、一方的に「お話ししている」ではなく、会話ですから、「ずっと話をしていると」でしょ。「お話、している」が「お話ししている」になったのなら表記の誤りですが、そもそも「お話、している」はガキっぽいから。
 「○さんとおはなししたときに」と言った竹田恒泰(2023/1/29)( ̄д ̄)! 「おはなしした(お話しした)」は、ある人が目上の人に「お話しした」ということであって、「○さんと」なら会話ですよね、ただの会話なら明らかに「話をしたときに」なのですよ、それぐらい分かるでしょ!?
 「スッキリ」(2023/3/20)で加藤浩次が桑田佳祐にインタビュー、そのときのナレーションが「意外な一面まで、おはなししてくれました」って、恥ずかしいよ、「お話、してくれました」って、ガキンチョかっΨ( ̄д ̄)Ψ。さらっと「意外な一面まで話してくれました」と言うか、「意外な一面まで話してくださいました」か、でしょ。
 「NHKニュース7」(2023/3/25)で、インタビューに答えた人が「みんなでおはなしすると」と言ったときに出たテロップが「みんなで話をすると」でしたよ、珍しい~~~d(⌒・⌒)good。NHKなのに、本当に珍しい、びっくり。あのNHKに、そんなふうに書ける人がいたんだぁ ( ̄・ ̄)。
 「勝利の法廷式」CASE3〔記憶〕(脚本 小谷暢亮)(2023/4/27)で、被告の関係者に「そのお店のかたとおはなしできますか」と言った神楽蘭(志田未来)。こんなふうに言う人が多いのですが、「~とおはなし…」は日本語として崩壊しています。「そのお店のかたと話をすることはできますか」でしょ!
 余談ですが、被告人が“犯人”をかばっているというパターン、たまにあるでしょ、そういうの大嫌い (`^´)。その“犯人”とは別の人が真犯人で、“犯人”は大切な人だから身代わりになろうとするわけですが、その大切な人が“犯人”だと決めつけているのです。つまり、大切な人のことを信じてはいないのですよ <( ̄д ̄)>。
 この被告人は、「犯人はあなたの息子だ」と真犯人から聞かされ、それを真に受けて息子に真偽を確かめることもしなかったアホです。特殊詐欺も似たようなものですよね、家族を信じているなら、ちゃんと真偽を確かめるべく行動するなら、詐欺師に大金を渡すようなことはないでしょ!?
 「めざまし8」(2023/7/24)で山手線全線運転見合わせについてリポートしているときに「~は、いなかったです」「~は『…』とおはなししていました」と言った岸本理沙アナ、ガキかっ <(`^´)>。アナウンサーなら「~は、いませんでした」「~は『…』と話していました」と言えないと!
 「○○と、おはなしをしておりましたが」と言ったのは、受け取るべきではない現金を代議士から受け取ったということで釈明会見をした自治体の首長です。テロップも「お話をしておりましたが」で、ガキですか!? いいかげん、「お話」なんてやめましょうよ、「話を」でしょ、「○○と話をしておりましたが」でしょ!
 政治家は、「お会いして」なら余計な「を」を挟んで「お会いをして」、そんなふうに言う傾向がありますから、それで「おはなしして」が「おはなしをして」になった? でも、「○○と」ですからただの会話で、「話」と言えばいいのに「お話」と言った“上品アピール”ですね ┐( ̄д ̄)г。
 「たとえ邪魔だったとしても、声をかければ済むお話です」(2021/3/30 BUZZmag)は、電車から降りるときに座席に座っている女性たちに傘を投げつけた男がいた・・・、“心温まるお話”でも“ありがたく心に響くお話”でも何でもないのです。間違いなら「直せば済む話」、迷惑をかけたら「すぐに謝れば済む話」など、単純に「話」です。
 「お客様と会話を、お話をさせていただく…」と言ったベーカリー店主、ローカルの情報番組で店の特色を語る場面です。パンを売って終わりではなく、会話を大切にしている、まさしく「会話」なのに、なぜ言い直した? しかも、「話をさせていただく」ならいいのに、わざわざ「お話を」だなんて、なぜだ( ̄_ ̄)?

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