微笑み返しだっ!
半沢「最後に一つお聞きします。福山次長、あなた、羽根専務にお会いしたことはありますか」
福山「・・・」
半沢「どうしました? あなたが次期社長にふさわしいと推す羽根専務ですよ」
福山「それは・・・」
半沢「当然お会いしたことがあるんですよね」
福山「・・・」
半沢「会ったことがあるのかないのか、どっちなんだ」
福山「残念だが、お会いしたことはない」
半沢「会ったことがない? あなた、一度も会ったことのない人間を社長にしようとしてるんですか、一度も会ってないのにどうして社長にふさわしいと言えるんですか」
すごい視聴率だったあの人気ドラマ、私も最初からずっと見ていました。言葉の正誤については、ちょこちょこあるにはあったのですが気にしないようにしていましたし、あまりにも面白くて気にする暇もないくらいだったのですが、第8話で聞いた「羽根専務にお会いしたことはありますか」「当然お会いしたことがあるんですよね」には少々違和感を覚えました。
東京中央銀行、半沢は本店営業第二部次長、福山は融資部次長。金融庁検査で問題になった伊勢島ホテルの確かな再建策を示し、検査を乗り切るべく、半沢は担当者として奮闘しているわけですが、伊勢島ホテルの羽根専務はというと、株の運用失敗で大きな損失を出した張本人なのに、それは社長の指示でやったことだと言い、社長を退陣させて自分が社長になろうとしていました。
半沢が福山に「お会いになったことは」と言う必要はありませんが、自分のほうが優秀だと思って偉そうにしゃべっている福山に対して皮肉を込めてこのように言うことはありえます。それに、模擬金融庁検査という流れもあり、半沢は福山より一段下がった立場で話していますからね。でも、セリフは「お会いしたことは」で、敬意の向かう先が羽根専務になり、この点が私には納得いかないのです。
「お会いする」は謙譲語Ⅰです。AがBに「Cさんにお会いしたことはありますか」と問う場合、Cさんは、A・B双方から見て非常に偉い人、心から尊敬している人です。ところが、羽根専務は銀行の大和田常務と結託して最初から何もかも仕組んでやっていたわけで、とっくに半沢はそのことに気づいていますから心の中では「あのクソババア!」で、とてもじゃないけど「お会いしたことは」なんて言えませんよ。
もしかして、後に続く「会ったことがあるのかないのか、どっちなんだ」のインパクトを強めるという意図があったのかもしれませんが、誤った「お会いする」がまん延している昨今ですからね、何も知らない福山が「お会いしたことはない」と言うのはいいとしても、半沢には「羽根専務に会ったことはおありですか」「当然、会ったことがあるんですよね」と言ってほしかった( ̄∧ ̄)。
羽鳥慎一は、「○さんにお会いになったことはあるのですか」と言うべき場面で「○さんにお会いしたことはあるんですか」と言います。「相棒」の右京さんだって「昔の仲間とお会いすることは?」なんて言いますし、タレントの森口博子に至っては「私とお会いしたことはありますか」ですよ( ̄д ̄)!
昨夜たまたまテレビでちょっとだけ見た映画、法廷の場面ですが、弁護士が「最後に妹さんにお会いしたのはいつですか」と「お姉さん」に質問していました。この「妹さん」はとても偉い人? いや、たとえどんなに偉くても、目の前の「お姉さん」には「最後に妹さんにお会いになったのはいつですか」と言うものですよ。そういうわけですから、「会う」を敬語にするときは慎重にお願いします。
半沢「最後に一つお聞きします。福山次長、あなた、羽根専務にお会いしたことはありますか」
福山「・・・」
半沢「どうしました? あなたが次期社長にふさわしいと推す羽根専務ですよ」
福山「それは・・・」
半沢「当然お会いしたことがあるんですよね」
福山「・・・」
半沢「会ったことがあるのかないのか、どっちなんだ」
福山「残念だが、お会いしたことはない」
半沢「会ったことがない? あなた、一度も会ったことのない人間を社長にしようとしてるんですか、一度も会ってないのにどうして社長にふさわしいと言えるんですか」
すごい視聴率だったあの人気ドラマ、私も最初からずっと見ていました。言葉の正誤については、ちょこちょこあるにはあったのですが気にしないようにしていましたし、あまりにも面白くて気にする暇もないくらいだったのですが、第8話で聞いた「羽根専務にお会いしたことはありますか」「当然お会いしたことがあるんですよね」には少々違和感を覚えました。
東京中央銀行、半沢は本店営業第二部次長、福山は融資部次長。金融庁検査で問題になった伊勢島ホテルの確かな再建策を示し、検査を乗り切るべく、半沢は担当者として奮闘しているわけですが、伊勢島ホテルの羽根専務はというと、株の運用失敗で大きな損失を出した張本人なのに、それは社長の指示でやったことだと言い、社長を退陣させて自分が社長になろうとしていました。
半沢が福山に「お会いになったことは」と言う必要はありませんが、自分のほうが優秀だと思って偉そうにしゃべっている福山に対して皮肉を込めてこのように言うことはありえます。それに、模擬金融庁検査という流れもあり、半沢は福山より一段下がった立場で話していますからね。でも、セリフは「お会いしたことは」で、敬意の向かう先が羽根専務になり、この点が私には納得いかないのです。
「お会いする」は謙譲語Ⅰです。AがBに「Cさんにお会いしたことはありますか」と問う場合、Cさんは、A・B双方から見て非常に偉い人、心から尊敬している人です。ところが、羽根専務は銀行の大和田常務と結託して最初から何もかも仕組んでやっていたわけで、とっくに半沢はそのことに気づいていますから心の中では「あのクソババア!」で、とてもじゃないけど「お会いしたことは」なんて言えませんよ。
もしかして、後に続く「会ったことがあるのかないのか、どっちなんだ」のインパクトを強めるという意図があったのかもしれませんが、誤った「お会いする」がまん延している昨今ですからね、何も知らない福山が「お会いしたことはない」と言うのはいいとしても、半沢には「羽根専務に会ったことはおありですか」「当然、会ったことがあるんですよね」と言ってほしかった( ̄∧ ̄)。
羽鳥慎一は、「○さんにお会いになったことはあるのですか」と言うべき場面で「○さんにお会いしたことはあるんですか」と言います。「相棒」の右京さんだって「昔の仲間とお会いすることは?」なんて言いますし、タレントの森口博子に至っては「私とお会いしたことはありますか」ですよ( ̄д ̄)!
昨夜たまたまテレビでちょっとだけ見た映画、法廷の場面ですが、弁護士が「最後に妹さんにお会いしたのはいつですか」と「お姉さん」に質問していました。この「妹さん」はとても偉い人? いや、たとえどんなに偉くても、目の前の「お姉さん」には「最後に妹さんにお会いになったのはいつですか」と言うものですよ。そういうわけですから、「会う」を敬語にするときは慎重にお願いします。