◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「むごさ」と書いておくれ。

2017-04-02 09:49:26 | 言葉についてあれこれ
                                  背中ですか?

 今日のタイトル、「かいておくれ」と打って変換したら「書いて送れ」になったので、違う違う、書いてちょうだい、だよぉ~と思って、「送れ」を消して「おくれ」と打ち直したのですが、あ? 「書いて送れ」って、ツイッターの話だし、むしろそっちかなぁと思ったり・・・(^^ゞ。3年以上前に書いたことなのですが、いま一度、書きます。
 一般の人が投稿した「戦争の惨さ」という文言がテレビ画面に映り、ナレーターは「戦争のみじめさ」と読んだのですが、本当は「戦争の悲惨さ」ではないのかと思いました。「惨めさ」なら「め」はどこへ行った? 「悲惨さ」なら「悲」はどこへ行った? ということなのですが、こういうの、よくありますよね。「いいのよ!受信料ってんだから、弁当代も込みよ」は「デイリースポーツ/神戸新聞社」(12月31日)で見た記述です。
 つい先日も、「口の歌手を目指し」って何かと思ったら「プロの歌手を目指し」の「プ」がない、とかね、脱字なんてちょいちょい見掛けますから。私も、携帯でメールを打つときなどは、あ、間違えた、クリア、クリア、なんてやっていると余計に消してしまったり、ちょっと面倒です。しかしまぁ、そっちで補完して「受信料払ってんだから」と読めってか? そういう寛容さが必要なのですかね。
 話を戻します。その後、「むごさ」ではないかという指摘があったのですが、なにしろ、最初に見たとき、「惨さ」という文字に目が行くのと同時に耳から「みじめさ」という音声が入ってきたので「戦争に負けた惨めさ」という意味か、あるいは「悲惨さ」か、どっちにしろ1文字足りないなぁと思ったわけで、「むごさ」と言うべき内容だったのか、「みじめさ」と言うべき内容だったのか、それは分かりません。
 書いた本人は「むごさ」のつもりだったのかもしれませんが、そもそも「むごい」「むごさ」は平仮名表記が基本です。常用漢字表外の音訓は、よほど広く知られているものならともかく、そうでないなら、読み手に対して不親切です。“入力して変換”という便利なことができるようになり、書けなくても“表示”することができて、世の中に分かりにくい読み方の漢字があふれるというのは困りものです。
 それに、漢字にはそれぞれ意味があります。人間がやることは本当に残酷で、漢字で書くなら「酷い」です。それに対して、自然の脅威は「むごい」とはあまり言いませんが、あえて漢字で書くなら「惨い」で、「災害の惨さ」ぐらいが適当です。同じ「むごさ」でも、「戦争の」に続ける「むごさ」なら「酷さ」と書かないといけません。そういう使い分けを理解したうえで漢字を使ってほしい、それができないのなら、平仮名で書いてあるほうが分かりやすいですよ。
 「写真みたい」は「帰れまサンデー」で見たテロップですが、これは「写真、見たい」と書かなければいけない場面で、「見」を見ることがなぜか少ない昨今ですが、この例のように平仮名だとどうにも具合の悪いこともありますからね、漢字、平仮名、片仮名、これらをうまく使い分けて分かりやすく書けたらいいですね。
 「周る」は「沸騰ワード10」のテロップ、「胃カメラを進める」「薬で症状を抑まったら」は「名医のTHE太鼓判」のテロップ、「田中角栄の意向とか」は「忍24時間」のテロップ、「正視に耐えない残酷な現実」は「プレジデントオンライン」(2016.12.28)で見た記述です。「回る」「胃カメラを勧める」「薬で症状が治まったら」「田中角栄の威光とか」「正視に堪えない残酷な現実」が正しいのですがね┐( ̄д ̄)г。
 「米軍知己」「嘉手納以南の吉」は自民党沖縄県連のHP、「業界で問題氏されていた」は「goo話題のトピックス」(2016/9/17 21:36)の見出しにあった記述です。「米軍基地」「嘉手納以南の基地」「業界で問題視されていた」でしょ、一体誰が書いたのですかね、ひどすぎて話にならない( ̄д ̄)!

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