◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「顰蹙かってる」って?

2014-05-04 09:31:00 | 言葉についてあれこれ
                               分からぁん

 日本で生まれたピクトグラムが世界に広がったという話はすでに皆さんご存じのことと思いますが、日本の顔文字・顔アイコンも人気があるそうですね。肝心の用事を言葉でうまく伝えられなくても、気持ちだけは通じる? だったら、いっそのこと、敬語も顔文字で表現する? できる?
 ところで、漢字とハングルで書かれた文章を若いときに読んだことがあるのですが、何となく意味は分かったのですよ。でも、今の韓国語はハングルばかりですから、母音と子音の組み合わせを見てどういう音になるか想像するだけで、意味は分かりません。勉強しようとは思うのですが、どうにも続かなくてぇ(^^;ゞ。それで、ちょっと疑問がわいてきたのですが、同音異義語をどうやって区別するのかな?
 韓国の大型旅客船セウォル号の「セウォル」も、ある番組では「世界を超越する」という意味だと言い、別の番組では「歳月」という意味だと言っていました。調べてみたら、「セウォル」は「世越」で、やはり「世界を超越する」ですね。「chosun Online」によれば、「俗世を越えて救われる」という宗教的な意味も含まれるようで、何だか背筋が寒くなるんですけど・・・。
 日本語でも、「はなをかきました」は「花を描きました」か「鼻を掻きました」か、ヒントがないと分かりませんよね。あ、「そんなの、話の流れで分かるだろ?」と思いました? あるのですよ、話を最初から聞いていても分からないことが。ディクテーション(音声おこし)をすると、「花を描きました」か「鼻を掻きました」か、というくらい分からないことが本当にあります。
 また、桝太一アナ(日テレ)の「賞品」がどうしても「商品」と聞こえたり、真下貴アナ(NHK)の「収斂してきた」が「修練してきた」と聞こえたり、アナウンサーやナレーターのイントネーションがおかしくて同音異義の別の単語に聞こえることが増えていて困りますが、正しく漢字を使い分けて書いてある文章なら、誤解は生まれません。
 しかし、最近ネット上でやたら難しい漢字を見掛けますよね。手書きならありえませんが、入力して変換すればいいだけですから、等閑、惚気、掻っ攫われた、蔑ろにする、庇う、顰蹙、縋った、唆される、躊躇う・・・、格好いいと思って使っているのでしょうか。その前に、もう少しちゃんとした日本語を書いてぇ~。ちゃんとした文章の中で使われてこその格好よさなんですよぉ~。
 さらに、漢字の使い分けどころか、漢字でないといけないところで平仮名が使われ、そのせいで読みにくい、何だかよく分からない、そんな文章を見掛けることもあります。ちなみに、「顰蹙」は、実際の文章では「顰蹙かってる」と書かれていました。「顰蹙を買っている」なら、「顰蹙」を読めなくても、「~を買っている」から「ひんしゅくを買う」かなぁと想像できるのですが・・・。
 「損害賠償を請求しないときが済まない」「彼のものさしではかられ」「必死に働いて女でひとつで子どもを育て」「振りかえっていました」「想いでの修学旅行」「意志をつらのこうとして」「かちかんが合う」「禅文化を海外に広くしらしめた」「そういう場合、費用は取らないか、とっても少額です」といった具合です。
 「損害賠償を請求しないと気が済まない」「彼の物差しで計られ」「必死に働いて女手一つで子どもを育て」「振り返っていました」「思い出の修学旅行」「意志を貫こうとして」「価値観が合う」「禅文化を海外に広く知らしめた」「そういう場合、費用は取らないか、取っても少額です」と書いてくださいよ。
 「貫こうとして」は、当たり前ですが、「つらぬこうとして」で変換しないと「貫こうとして」にはなりません。「つらのこうとして」で変換したら「面の公として」になりましたよ(^^;、もしかして、「面の公として」になって、なんか変だなぁと思って平仮名に戻したのか? ということは、あくまでも「つらのこうとして」だと思っている? 「とっても少額」も微妙だし~~~(・ω・)。
 漢字の読み方もけっこう怪しくなってきていませんか? 「男女一対の人形」をフジの加藤綾子アナは「いったいの」と読みましたし、テレビに映った一般の人が「おれいんさんのふくゆうりつ」と言い、「ふくゆうりつ?」と思ったら「オレイン酸の含有率」だった、ということもありましたし・・・。韓国の若い人はすでに漢字を読み書きできなくなっていると聞いたことがありますが、日本人はどうですかね。
 若者は新しい言葉をどんどん生み出している、豊かな感性がある、言葉は変化していくものだ、そういうふうにいわれることもありますが、肝心の、あらゆる世代の人が日常生活の中で使っている日本語を理解していない、変化というより崩壊、つまり、プラスよりマイナスのほうが大きいのでは?

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