流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

ヤマモトヨーコの話 part3 を語る

2007-12-29 03:56:45 | ■新房昭之
見終わった。内容が急だったりしましたが、これは当時の女子高生をメタ視したアニメだと考えれば、それに沿って物語が展開していたんだなぁ、と思えます。ヤマモトヨーコ以下主人公4人の女の子たちはそれぞれのカテゴリーの代表なんだと思う。ヤマトナデシコな綾乃、ツッパリ風な紅葉、お嬢様的な高めの目線をもつまどか、そして女子高生の洋子という。この中で人気がある、勢いがあるカテゴリーを制作側が主観的にふるいに掛けて、最後に残ったのが洋子と綾乃というのは面白い。当時の女子高生の勢いは凄まじいものがあったと自分は記憶してるし、綾乃のような日本美人と言える日本女性の代表と言ってもいいかもしれないヤマトナデシコ。その2大勢力が現代における女性の地位をかけて戦せる・・・、と考えればすっきりすると思います。

その女子高生とヤマトナデシコのイメージを植えつけるところは抜かりなくやっていた印象があります。洋子が綾乃に裏切られた、親友に裏切られたのが一番ショックだった、女の一方的な憎しみに恐怖してしまう、自分中心のエゴイストぷり、当時の勢いを考えれば当然とも言える携帯電話への意識の向け方。それに対して神社のお祭りの巫女役だったり、道場など日本の色が強い武道家、殿方への接し方、少々男勝りな洋子に対する羨望的なところなど、様式的な日本女性(とりあえず例えで大和撫子と言っておきます)を描こうとしていたのが綾乃と言っていいかな、と。他の2人と違ってそれぞれのキャラ立て、女性像のイメージ作りがはっきりしており紅葉などのキャラクターが目立たなくなっていくのは当然かな、と思いました。

まあ、最終的に当時の一大勢力である女子高生が勝つんですが、その女子高生に誰も敵わない、太刀打ちできないという描写が印象的に映ります。ここで重要なキャラクターがヤマモトヨウスケと言う洋子のコピー。女子高生であることができないことをコスチュームから示してるのが今考えれば面白いです。ヨウスケは元々洋子のコピーなので女なのですが、戦いに負けると男になってしまうんですよね。女子高生に負ける奴=男、というのは中々手厳しいな、と思いつつも作品のテーマがより鮮明になる部分なんじゃないかなぁ、と思いました。それに、ヨウスケは女性でありながら男性的な思考をしていて、ウテナの王子様設定を彷彿とさせれて気になりました。


個人的に一番気になるが、ウテナからヤマモトヨーコにきたJCの流れでしょうか。
ジェンダー絡みで語れることもあるウテナから、現代女性賛美とも言えるヤマモトヨーコにきたのはなかなか面白いなー、と。今考えるとJCはそういうジェンダーを意識したような作風のアニメが多い気がします。戦う美少女というものは流行でオタク向けアニメの中で一般的なものだと思うのですが、JCはそこに何かしらのテーマを欲しているんじゃないかなぁ、とちょっと妄想。例えば、今放送してる「キミキス」。ファンからは内容が変わったと叩かれているようですが、それもギャルゲー原作をJC風に調理するためなのかな、とか思えてきます。まあ、これはちょっとウテナ、ヨーコの流れに捕らわれすぎてるからなのかもしれませんが、ちょっと気になる部分です。キミキス録画ミスってから見てないのが個人的に痛いなー、と思ったり。これからはもう少しJCのアニメを楽しんで見れそうです。

感想は次でラストになるかな。


2 コメント

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Unknown (びっぐべん)
2008-01-07 21:16:16
お久しぶりです。そしてあけましておめでとうございます。


JCスタッフの方向性についてですが、今のJCを語る上で欠かせない作品であるウテナそのものが、「アンチセーラームーン」であるという面があります。

監督の幾原邦彦が、佐藤順一から引き継いでセーラームーンシリーズを監督していた時に「何故男の子ではなく女の子が戦うのか」という問題に悩み、それがウテナのテーマに繋がっているそうです。

余談ですが、シャフトはウテナでの優秀グロスだった辺りから当時のコアなアニメファンに認知されだしたようですね。
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Unknown (G北辰)
2008-01-08 00:53:08
どもどもお久しぶりです。

アンチセーラームーンと言われると、自分がセーラームーンを熱心に見ていたわけじゃないのでちょっとイメージするのに時間がかかりそうです。
あとまだJCを語る上でウテナが欠かせないというのが自分の中で消化できない部分です。
というのもセーラームーンもJCの過去作品もあまり数を見ていないからなんですが。こういう時にアニメ見てないなぁ、と痛感させられます。
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