hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

石塔寺

2014-03-01 06:00:00 | 日記

古刹を巡る、その2。滋賀県東近江市にある石塔寺を訪れたのは昨年4月9日の午後4時を過ぎた頃。この寺を知ったのは五木寛之氏の百寺巡礼を読んだ時である。その中に阿育王(アショカ王)塔と呼ばれる三重塔を中心に数万基の石塔や石仏が並ぶと書いてあった。ぜひそうした風景をこの目で見たいと訪問した。場所はゴルフ場から程近く、駐車場も広々としている。拝観料を支払い長い石段を登ってゆく。

すると徐々に大きな石塔が現れてくる。その高さは7.6M、周りには小さな石塔がこれ以上並べられないほど並んでいる。付近だけではおききれないのか、山に向かってさらに石仏や石塔が所狭しと置かれているのは通常の寺では化野の念仏寺以来であった。


この寺は聖徳太子が推古天皇の時代に仏教交流のためにお海に48の寺院を発願したが、石塔寺はその満願の寺でその名を本願成就寺といった。しかし、その後衰退し、平安時代に唐に留学中の寂照法師が琵琶湖の東岸に阿育王塔が埋もれていることを知り、日本に手紙で伝えたところ当時の一条天皇が勅命を出し、このあたりを創作したところ野谷光盛という武士が山頂に不思議な塚を見つけた。そこで帝の勅使、平恒昌と共に発掘したところ大塔が出現したとのいわれがある。そして一条天皇は喜んで七堂伽藍を建立、石塔寺と名付けた。その後鎌倉時代になり、参拝の人々が自らや一族の極楽往生のため、また先祖の菩提を弔うために大塔の近くに石仏や五輪塔を奉納、それが数百年の間に今の姿になった。そのため、この五輪塔は墓ではない。


春の夕日の中でこれらの塔の集団を見ると不思議に荘厳な気持ちになる。いままで多くの寺を詣でたが、その中で最も最初驚き、しかしそのあとで静かな気持ちとなった寺であった。なお、本堂は入口のそばにある花の多い美しいお堂であった。