hokutoのきまぐれ散歩

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観光地百選切手

2014-03-16 07:36:13 | 日記

切手シリーズ、その14。公園シリーズ同様に全国の観光地紹介の切手として発行されたのは、1949年に出された別府の観光切手だったが、図案も地味であまり人気がなかったのでシリーズ化されなかった。

しかし、その後、観光地百選と銘打って1951年~53年に発行されたのが、今回ご紹介する10タイトル20枚の切手。額面は8円(最後の錦帯橋のみ10円)の封書と24円の海外向け書状の料金である。これは毎日新聞社主催で1950年に観光地を山岳、平原、温泉、河川、海岸、渓谷、都邑(都市)、湖沼、建造物、瀑布の10部門に分けて各部門1位になった切手を発行したもの。当時としては珍しく1年の間に9タイトルが発行されている。

切手の形式は国内向けは縦型で色々な色が使われているが、海外向けは横型で青系に統一されている。これはUPU(万国郵便連合)の規定で海外向け書状は青系に統一されたことによる。


これらの切手を見ると第一次国立公園切手と違い、例えば1951年発行の日本平の8円切手のように茶摘みの女性が出ていたり、同じ年の和歌浦・友ケ島の8円切手のように風景写真を絵のようなデザインにしたりと遊びごころがある。

なお、最後の錦帯橋の10円切手のみ1953年に発行されたのは台風で破損し、再建を待って発行されたことによる。

このシリーズは平原や河川など10部門の分類そのものも面白い。さらに都邑の長崎や温泉の箱根は今も人気があり、違和感はないが、例えば瀑布の赤目四十八滝、河川の宇治川、渓谷の昇仙峡、湖沼の丸沼・菅沼など今選ぶと全く違うところが出てきそうなものもある。

60年前に日本を海外の旅行客に売り込もうとした企画だが、当時の日本人の考えたベスト観光地と今の意識のギャップを考えるだけでも、大変興味深いシリーズである。