hokutoのきまぐれ散歩

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戦前の第一次国立公園切手

2014-03-04 06:57:39 | 日記

切手シリーズ その11。今回から数回に渡り、公園に関する特殊切手を某氏のリクエストに応えて紹介したい。国立公園シリーズは日本の記念切手の中で最古かつ最大の切手枚数を発行しているシリーズかもしれない。初回はその中で戦前に発行された切手に触れて見たい。

第一次国立公園シリーズがスタートしたのは1936年(昭和11年)で富士箱根国立公園の4枚、いずれも1色のグラビアで合計4色、初めは1シートが50面であった。勿論、当時は右から左へ字を書いており、しかも真ん中に菊の御紋があることが特徴。また、第1回富士箱根国立公園の切手は4枚とも富士山(暁の富士山、芦ノ湖からの富士山、三つ峠からの富士山、三島からの富士山)という図案が採用されたのもおもしろい。

第2回が1938年の日光国立公園。この切手は画期的で、まず縦型の切手が2種と横型が2種の組み合わせであったこと(図案が2銭の中禅寺湖からの男体山はともかく、4銭の華厳の滝は縦型にするニーズが強かったからではないかと小生は想像している。)、この回から小型シートが発行されたこと、の2点である。当時の小型シートにはタトウ付きで、その中に説明も書かれてあり、また、目打ちもついていた。

第2回から4ヶ月後に第3回の大山・瀬戸内海国立公園、さらに4ヶ月後に第四回の阿蘇国立公園、1940年4月には第五回の大雪山国立公園、8月に霧島国立公園と発行された。現在に比較して発行回数も少なく、逆に人気は高かった。

ついで第6.7回として1941年3月に出されたのが当時は日本領土だった台湾の大屯・新高阿里山国立公園、同じ日に次高・タロコ国立公園が出され、これで戦前発行は終了している。その年の12月8日に太平洋戦争に突入するわけだから、この時期に台湾の国立公園を取り上げたのには何らの意味があるのかもしれない。

さらに戦時色豊かな1941年(昭和16年)には他に記念切手は全く発行されていないのもおかしな話である。
なお、戦前に発行された第一次国立公園切手は色も一部例外を除き、茶色・緑・赤・群青(第二回目のみ茶色でなく、黄色を採用)を使っているなどシリーズとしても統一感があり、格調の高い図案のものが多く、十分楽しめるものである。