hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

浄土寺

2014-03-09 07:07:26 | 日記

古刹を巡る、その3。兵庫県小野市にある浄土寺を訪ねたのは2009年3月だからもう5年になる。場所は山陽自動車道三木ICを降りてそれほどかからなかった気がする。その日は生憎の雨が強く降る日で駐車場に車を止めて、国宝浄土堂に向かったが、周辺には誰もおらず、鍵がかけられたまま。寺務所に向かうもなかなか誰も出てこないのでやや焦った。

しかし、女性が出てきて『雨の中よく来られました。』と言って、先程の浄土堂に行き、鍵を開けて頂いた。お堂は薄暗く、目が慣れるまでよくわからなかったが、中には5m30cmの巨大な阿弥陀如来、左右には脇侍の観音菩薩、勢至菩薩が配置されており、その大きさにまず圧倒される。しかし、この像は快慶作であり、その素晴らしさに再度圧倒された。ちょうど、お寺や仏像の案内テープが流れ出し、このお堂は俊乗坊重源により1194年に建てられたこと、快慶が重源と親しく、また熱心な阿弥陀信者だったことなどを知る。

その後、寺の人からお堂が境内の西にあり、この三尊像は東向きに建つ、そしてお堂の背後の蔀戸を開けると背後から光が入り、夏の晴れた日の夕刻(3時以降)にはお堂全体が赤く輝き、雲座の上に位置する三尊像が浮かび上がり、来迎の風景を映し出す、こうした効果まで考えられて作られていると説明を受けた。しかし、外は激しく雨が降り、着いた時間こそ4時だったが、薄暗くそういった風景は実感できなかった。次回こそこうした情景を実感したいものである。

なお、この寺は重源が平家の焼き討ちにより、東大寺大仏殿が焼け落ちたのちに日本の7カ所に作った東大寺の別所の一つ播磨別所である。周りにあまり何もない場所にあるこの寺は是非訪問して貰いたい古刹のひとつである。