hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

興福寺南円堂・北円堂

2014-03-13 06:42:55 | 日記

古刹を巡る、その4。奈良市にある興福寺は東大寺や法隆寺同様知らない人は殆どいない。しかし、その中にあって南円堂・北円堂は年に数回しか公開されない。それが、昨年4月12日から6月2日まで特別公開されたのを聞きつけ、4月12日朝から見に行く。先頭とはいかなかったが、4番目に中に入る。


南円堂は西国三十三箇所の9番札所で訪れるのは3回目だが、中まではいるのは初めて。藤原北家の藤原冬嗣が創建した八角堂でお堂自体も重文。中には本尊の不空羂索観音菩薩坐像(国宝)と四天王像(国宝)が厳かに安置されている。不空羂索観音菩薩坐像は運慶の父親、康慶の作と言われている。

そしてそばに立つ北円堂(国宝)は普段は遠くから眺めることしか出来ないが、堂々と中に入りじっくり一つずつの仏像を見て回る。中心に弥勒菩薩(国宝)、周りに四天王像(国宝)、奥右に世親菩薩立像、左に無著菩薩立像(それぞれ国宝)と並んでいる。


無著・世親はインドの唯識学の祖と言われる兄弟で、この像は運慶作と言われている。この2つの立像は世親(弟)は壮年で厳しい顔をして、遠くを見つめており、無著(兄)は老年で胸に箱を持ち、優しい目で人々を見守っている。


よく、日本の肖像彫刻最高峰と言われているが、引き込まれそうな迫力と見守られている気持ちがしてくる素晴らしい像。また、当たり前かもしれないが、兄弟だけによく似ている。
北円堂は藤原不比等の一周忌に元明、元正天皇が長屋王に命じて創建させた八角堂で、今の話だけでも日本史の教科書に必ず出てくる名前の連発である。
桜も美しく咲き、こうした機会は中々無いと感動した訪問であった。(通常は公開は10月17日のみ)