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奈良市に入り、ホテルに入る前にどうしても行きたかったお寺に向かう。白毫寺というお寺だが、新薬師寺近くの住宅街の真ん中、小高い丘の上にある。小生は當麻寺から向かったが、途中からは奈良特有の細くくねくね曲がる道に入り、カーナビを信じて行くと何とか門前の駐車場に到達。駐車場は700円と高額だが、他に停める場所もなく、拝観料の一部と思い支払う。
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そこから石段をてくてく登り、山門に到着、左右には時代物の築地があり、その横には萩が植えられ、早くも赤い小さな花が咲いている。もちろん、蟬時雨は相変わらずだが、汗をしたたらせながらも、秋を感じる。石段の上には寺務所があり、拝観料を支払い、まずは本堂に向かう。
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白毫寺の『白毫』と仏の眉間に生えている光明を放つという白く細い渦巻き状の毛のことである。この寺の草創は天智天皇の勅願寺とも言われているが、定かではない。鎌倉時代に叡尊が再興し、弟子の道照が宋から一切経の写しを持ち帰り、その転読を行ったことから一切経寺と呼ばれた。室町時代には筒井順慶に殆どの堂宇を焼かれるなど苦難の時代もあったが、江戸時代には幕府から援助を受け繁栄。なお、宝蔵は1980年に造られたものである。また、かつては多宝塔もあったようだが、売られてしまい個人の別荘に置かれたが、数年前に失火で燃えてしまったとのことである。
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本堂には優しいお顔の阿弥陀如来坐像(重文)が置かれている。また、左右には勢至菩薩、観音菩薩(江戸時代)が脇侍として置かれているが、いずれも三千院同様に膝をついた大和座りで往生者を迎えに行く姿である。
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宝蔵には地蔵菩薩立像や文殊菩薩坐像、閻魔王坐像と指命・司禄像(いずれも重文)など歴史的にも貴重な多くの像が納められている。
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また、花の寺と知られており、五色椿他色々な植物が植えられ、今はキキョウと萩が盛りであった。さらに周囲には不動明王を始め、数多くの石仏が並んでいる。
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圧巻なの宝蔵を出て、左手に行った辺りからの風景。東大寺の五重塔をはじめ、奈良市中心部を一望できる素晴らしい展望が開けている。
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しかし、ぼんやり風景を見ているとゴロゴロと雷が鳴り出し、ポツポツと雨も降り出したため、残念ながら、あまりゆっくりすることなく、白毫寺を後にした。なお、我々以外には参拝者は無し、いい寺なんですがね。特に藤の花が有名だとか。
白毫寺
奈良市白毫寺町392
0742263392