エイプリルフールから1日遅れだが、馬鹿で気楽な言葉遊びをひとつ。ジャイアンツが開幕4連敗した。エースの上原を中日戦に備え温存したのが裏目に出て、開幕戦に負けた後勢いを失い、未だに1試合も勝てない情けない事態になった。最近そっくりの状況を見た記憶がある。
戦力出し惜しみ失敗は「ジュリアーニする」?
米国大統領の最有力共和党候補と目されたジュリアーニ前ニューヨーク市長が、予備選の緒戦のニューハンプシャー州をパスして、フロリダ州に全精力を注ぐ戦略をとり見事に失敗した。フロリダの投票が始まるまでにマケインやハッカビーなどの2番手候補が、小さな州の予備選で勝った負けたと熱狂的に全米報道されているうちに勢いがついた。
その間、静かにしてテレビに出なかったジュリアーニが失速して早々に予備選から撤退に追い込まれ、マケインが復活した。皆が大騒ぎしているとき上位者が超然とした姿勢で遠く離れて機会を窺う作戦が、実は絶好の機会を見逃してしまう典型的な例だった。
大事をとって本命を温存したが為に負け癖がつき、最初に計画した大事な戦いをも落としてしまうのを「ジュリアーニする」というのはどうだろうか。日本では米国の大統領選事情はそれほど知られていないだろうが、巨人の開幕4連敗はまさにこのジュリアーニの罠に落ちたようだ。
公平の為にいうと、この作戦が大成功した例も歴史上沢山ある。野球の世界でも、例えば日本シリーズでは第2戦を重要視する監督や評論家は例外的な存在ではないし、そのロジックも決して根拠が無い訳ではない。しかし勝負事で初戦に勝つことの重要性のほうを私はとりたい。
金融商品の「ミートホープ」化
実はもっと的確でワサビの利いた比喩があった。サブプライム・ローンを優良な証券と混ぜ合わせ新たに優良金融商品として世界中に売られ、金融不安ドミノの伝達媒体となった仕組債、即ち債務担保証券を、大前研一氏は金融の「ミートホープ」商品と呼んだ。
これを見て実にうまいこと言うもんだと感心した。ミートホープ社は牛肉や豚肉を混ぜ合わせた偽装食品を売って消費者の食の安全に対する信頼を崩壊させた。肉を混ぜ合わせる技術が大臣賞を受けたように、債務担保証券を生んだ金融技術は持てはやされて来た。
朝日新聞かテレビ朝日かが一時期使っていた「あべる」は、あざとさが感じられて評判が悪くネット世界で叩かれていつの間にか消えて行った。「ジュリアーニする」例は、歴史上成功例も失敗例もあるので特別話題にもならないが、直近の出来事でニュース性があり私は結構気に入っている。
「トップレス」会議???
これを書いているときNHKBS1で面白い話題を紹介している番組が流れていた。ハイテックのメッカである米国のシリコンバレーで「トップレス」会議(!)がトレンドだという。実はこれはノートパソコン持ち込み禁止の会議のことだ。
米国ではノートパソコンをラップトップ(パソコン)ともいう。彼らはそれを禁止すると言う意味で「トップレス」と言って喜んでいるようだ。トップレスと言えばすぐに別のことを想像するので、これを聞いて思わずにやりとしてしまった。しゃれている。
会議中にキーボードを叩くと、話している相手の微妙なボディランゲージなどの反応を見落とし、お互いの理解の塞げになると言う極真面目な内容だが、ユーモアを感じリラックスさせてくれる。ワサビの聞いた皮肉にもユーモアのある余裕が感じられると最高だ。■