かぶれの世界(新)

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経済回復への道(憶測)

2009-05-12 18:35:27 | 社会・経済

悪い知らせ、転じて良い知らせ?

居心地の悪い思いを、今最も感じている人達は、悲観論で(食べている)経済学者や評論家ではないだろうか。雇用悪化が続き、クライスラーが破綻、トヨタが巨額の損失を報告するなど悪いニュースが続く中、景気回復の兆しを示すと見て反応し株価が急上昇し始めたからだ。彼らにとって見ると、あってはいけないこと、飯のタネが危険に曝される事態が起こっている。

先週7日に発表された米国大手金融機関19社の健全性を調べたストレステスト(資産査定)は、バンカメなど10社に計7.4兆円の資本増強を求める内容だった。米当局と銀行間で資産査定を巡り激しいやり取りがあったらしいが、直後に銀行は自力での資金調達プランを発表し、査定が甘いなど専門家の見方は分かれるものの、市場はこれを好感し株高で応えた。

4月の米国非農業部門雇用者数は53.9万人減少し、失業率8.9%839月以来の水準に悪化した。しかし、3月の70万人弱に比べれば減少幅が少なく予想を下回ったと見て、市場は雇用悪化が減速し始めたと見て好感した。

注目された金融機関(ストレステスト)と自動車産業(救済処理)の扱いが予想よりうまく処理できる見込みがたってきた。オバマ政権の口先操縦がうまく行っているとの非難もあるが、明らかに人々は楽観的になりつつある。3月頃までは自動車産業の破綻は経済に大打撃を与えると見られていたが、クライスラーは既に破綻し、今やGMの破産も選択肢として視野に入り始めた。

底が見えてきた!?

市場の見方はまだ底は打ってないが、どこまで悪くなるか底は見えたというものだ。NY市場の株価は8千㌦半ばまで回復し、これを追って日経平均は9000円台を回復、世界の株式市場も上昇した。私の退職金投資は3月初め年初来-10%だったのが、昨日は年初来+14%になった。リーマンショック前とは比べ物にならないが、正直いうと助かった感がある。

勘違いしてはいけないのは、現在まだ経済は下落している、下落速度が緩やかになり、どこまで落ちるか底が見え始めたところだ。底を打つのが近いと希望が出てきたことだ。冒頭の悲観論者の話を聞いて株式投資すると手遅れになる。景気回復が誰の目にも明らかになった頃やっと認めるだろう。それでも多分、本当の回復ではないと指摘する材料を見つけるだろう。

株価は先行指数だから景気回復の半年前には(投資家が正しければ)上昇を開始する。それが3月だと見れば秋頃、今だとすれば年末頃に、景気は上昇を開始することになるだろう(私の投資を指標に使うと3月説になる)。一方、雇用は遅行指数である。今回の情緒的な「派遣切り非難」は、雇用を躊躇し最小限に絞る経営判断を仕向けることになったと思う。

景気回復は半年続けて(四半期X2期)景気上昇して正式に定義されている。とすれば、景気回復宣言は早くとも来春、GDPが昨年前半までに戻るのは更にその後になる。従って、雇用回復は早くとも来年後半、それもかなりの部分はアジアなど海外での雇用に向けられると予想される。日本だけを考えて完全な雇用回復など期待できないと思ったほうがいい。

最後まで残る「ツケ」

未曾有の世界経済危機に対応する為世界各国は景気対策を打ち、中でも我が日本は膨大な国債を増発することになった。昨年からの補正予算に加えて、今年度の本予算、更に第2次補正予算と続き、トータル予算規模102兆円を組む為、44兆円の赤字国債を発行する予定だ。

半端な数字ではない。EU加盟基準が対GDP3%以下の財政赤字だが、日本の予算は9%を上回る赤字予算となる。特に第2次補正予算には景気対策という名の下に、投資効果上極めて疑わしい支出があると指摘されており、キチンと議論されないまま若者世代に借金の付回しをさせない様監視していかなければならない。来る衆院選では若者の明確な意思表示が必要だ。

地球規模で財政赤字になった結果、後からどういうインパクトが出て来るのだろうか。ここでも我国は過剰流動性がもたらしたバブル時代の経験がある。そこで財政規律回復の機会が来る可能性がある。この時こそ冒頭の悲観論者の声を聞いてみるのがいいのかもしれない。■

コメント
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