リハビリ病院の家族面接の前に、母の様子を伺いに市立病院に行った。部屋に入るとベッドの端にちょこんと腰掛けた母と目があった。顔が微妙に動いて、はにかんだように感じた。先月の母は殆ど表情がなくなっていたので、それだけでも心のどこかがホッとするものを感じた。
担当の看護婦さんに挨拶すると、主治医に連絡を取ってくれ直近の容態を説明して頂いた。大筋は電話で聞いていたので驚きはなかった。12日に部屋で食事中の母の様子を見に行くと、床に倒れていた。額を打ったらしくたんこぶが出来ていたので調べたが、前後の記憶もはっきりしており、新しい脳梗塞は見当たらなかった。
以前の脳梗塞による誤嚥(飲み込みが上手く行かない)でむせて転倒し、食物が肺に入り肺炎を起こしたということのようだ。翌13日、38度まで体温上昇したが抗生剤を処方し、徐々に体温が下がってきた。体温に加えて白血球は3900まで低下、CRPが3.4から1.1まで低下したグラフを示され、治療が効いて日々指標が良化していると理解できた。
又、胸のレントゲン写真で肺下部の影が濃く現われて水が溜まってないと説明を受けた。治療は上手く行っているようだが、用心の為もう1週間は様子を見たいので、リハビリ病院への転院は早くとも23‐24日にして欲しいと言われた。その旨、先生の方からも連絡するという。
一旦、実家に帰り軽く食事を済ませリハビリ病院のある松山方面に向かった。そこには義母を見舞いに何度か行ったが、同乗者がナビをやってくれたので記憶が曖昧で間違えながら、約束の時間より少し遅れて辿り着いた。暫く待って係りの事務の人と担当医の面接を受けた。
受け入れするかどうかというより、母の容態と支援する家族関係がどうなっているかを、医療とケアする態勢の両面から聞き出すというのが、家族面接の目的のように感じた。母の子供(私と妹)と近親がどこに住み、義母が同じ経営の老人保健施設に入所していることを伝えた。
リハビリのために必要と思われる情報として、母がどういう人か時間をかけて私の知る限り詳しく説明した。母のウツ気味で人付き合いの悪さが年齢と共に顕著になり、問いかけに曖昧な返事しかせず表情が少ないので、認知症と見られる場合もあるが記憶はしっかりしている、と。
次に、主治医の見立てで自宅介護は出来ないので、将来リハビリが終ったら上記の老人保健施設に入所させたい旨伝えた。だが、介護レベル3以上(現在見直し中)が受け入れ条件であり、糖尿病看護は朝夕2回が現在の医療スタッフでは限界という。次から次へと問題が控えている。しかし悩んでもしょうがない、リハビリ病院でも相談にのってくれるらしいから、その時はその時だ。
その後、院内のリハビリの施設を案内してもらった。リハビリは仕事治療と理学治療の2種類あり、通院して治療を受ける若い人も沢山いた。母は個室が必須なので、続いて個室を見学させてもらった。個室は病院に比べ広く充実しているように感じた。更にお金を出せばトイレ付個室やバストイレ付の豪華な特別室まであった。
治療費と健康保険の負担、食事やオムツ・洗濯などのお手伝い費用、個室利用費などトータルの費用と、財源として母の年金や預金などを整理してなるべく無理のないリハビリ以降のプランを作ろうと思う。手間隙かけず自動的に支払いされるような仕掛けを作りたいと思う。
だが、農協やゆうちょ銀行などのオンラインサービス連携は遅れている。協同組合や水利権などの支払いと合わせどこまで自動化出来るかやってみないと分からない。遠隔地から取引明細と残高確認できなのはとても不便だ。
一方で、郵便物などから母が加入していた損害保険や百貨店等の会員などを不要な費用を見つけ出し、キャンセルして出来るだけ切り詰める必要がある。特に農業関係やお付き合い関係の支出(保険など)が分からない。母の意識がしっかりしている間に終らせておきたい。■