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沖縄の心はどこへ行った?

2018-02-07 16:20:06 | ニュース
沖縄県の名護市長選で現職の稲嶺氏を破り渡具知氏が当選した新聞テレビ報道を見守って来た。前回と前々回は米軍基地の移設に反対する稲嶺氏が当選した時と比べると、選挙結果を淡々と伝える報道だったと思う。稲嶺氏の当選時に「沖縄の心」と称して政府の対応を求めたのと明らかな温度差があった。

報道では名護市民は過半数の基地移転に反対だが、先ず第一に自分達の生活を優先して投票したという。その背景に稲嶺市長は基地反対の意思を明確にするため米軍再編交付金(年17.7億円、8年で135億円)を受け取らなかったことがある。新市長は給食費の無償化やゴミ分別の簡素化などに対応すると公約した。

報道によれば、いくら基地移転に反対しても最高裁の判決が出て工事が着々と進む一方で、市長の判断で市民サービスが改善されない現状を鑑みて、考えを変えた名護市民が多数出たと分析されている。結果は意外な大差で、特に若者が渡具知氏を支持したらしい。公明党が渡具知氏支持に回ったのも大きかったという。

私の知る限りメディアは今回の結果を「沖縄の心」と呼ばなかった。だが、これも又「沖縄の心」であることを理解しなければならないと思う。私は稲嶺市長が交付金を受け取らなかったことは知らなかった。彼が建前を優先して市民のニーズに応えようと最善を尽くさなかったので支持を失い、敗因になったと私は思う。

沖縄の地元紙が一方的な基地移転反対の報道を続けて来たにも拘らず、生活優先を主張した渡具知氏が当選したのは逆に驚きだ。この重みをキチンと理解する必要があると思う。地元紙には固有の事情があるかも知れない。だが、全国をカバーする朝日や毎日新聞と系列テレビは今回示された民意を良く考えて欲しい。

メディアは自社の主張に合った時にのみ軽々しく「沖縄の心」と呼ぶべきではない。その前に彼等は日々生活する日本人なのだ。そして「沖縄の心」も「日本人の心」も状況に応じて時に変わる。為政者も謙虚にそれを理解したうえで、信念に従ってやるべきことをやるということなのだろう。■
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