多摩湖へ家族旅行（３）エピローグ

家族と別れ西武多摩湖線で国分寺に到着し、府中駅行きのバス乗り場に向かった。新宿方向に向かって歩くとバスが停まっているのが見え、後方から二人の若い女性が駆けて追い越して行った。少し歩くとバスは府中駅行きで、私も駆けだそうとしたがその前にバスは出発した。

その停留所の前に中年の女性が突っ立っていて、私は一瞬考えこんだのが乗り遅れたせいだと他人のせいにした。何故乗らなかったのか聞くと、彼女はいつも決まった時間に乗ることにしている、次のバスが直ぐに来ますよと教えてくれた。後方を見ると確かにもう次のバスが迫って来た。

バスは順調に終点まで到達しそのままゆっくり歩いて自宅に戻った。まだ１時前で冷蔵庫から冷凍の担々麺を取り出して食べた。土曜と日曜日にホテルの中国人シェフが作った中華料理に比べると、好みの冷凍中華麺も不味くはないが味が薄くて少し情けない気持ちになった。

スマート時計の歩数計を見ると１．１万歩だった。朝食前後の多摩湖畔の散歩と、駅からバスの停留所までと自宅までの歩きを合わせると１万歩以上も歩いたことになる。昨年末に股関節を痛めて以来初めて１万歩以上歩いたが、私の足は何とか脚力を保つことが出来た。旅行の間も食後の痛み止めの薬を忘れず服用した効果もあったのかもしれない。

徐々にではあるが足腰痛が回復してきたのだろう。娘に強引に旅行に誘われた時は、私は自信がなかったし反発があった。しかし、日曜日に子供達と一緒に「西武ゆうえんち」を楽しめたかもしれない。だが、その途中に痛みが出たら皆に迷惑をかける最悪事態になったと思う。

自宅に一人落ち着いてテレビを見ていると、娘に強引に誘われて多摩湖に行き美味しい食事を一緒出来ただけで良かったと思う。私が９０年代に米国で一人暮らしした時、まだ高校生だった娘が何度も訪問してくれたのを旅行中に思い出した。その後テレビの前のソファーで２時間余り昼寝し、ホテルでの寝不足を回復できた。■