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派遣切り非難は的外れ

2008-12-15 23:30:01 | 社会・経済

最近の「派遣切り批判」報道に例によって問題を指摘したい。世界的な景気悪化のトヨタやキャノンを始め日本を代表する企業が非正規労働者を首切りにした。労働者は契約期間の途中にもかかわらずいきなり契約を打ち切られ、住宅を追い出され路頭に迷っている。

メディアの論調は例によって首切りをまるで罪を犯したかのように感情的に非難しているが、私には根本的なところで何か違うんじゃないのという感じが強い。例外もあるかもしれないが、殆どの企業の行動は合法的な経営判断として雇用調整をしたはずだ。

経済危機で需要が急速に萎んで行く最中、世界中のどの国の企業でも設備投資を見直し、雇用調整を進めている。竹村健一氏がよく言った“日本の常識は世界の非常識”だ。世界市場に活路を求めてきた日本企業に雇用調整するなというのは無茶な話だ。

たまたま今夜NHKが「非正規労働者を守れるか」というテーマで特番を組んでいた。数分ちら見しただけだが、基本的な考え方は雇用調整はあるものとしてセーフティ・ネットと両立させる政策が重要であり、欠けているセーフティ・ネットをもっと充実すべきという内容だったと思う。

民放の扇情的な報道に比べ、NHKはきちんとポイントを掴んでいる、まだ良識は残っていると安堵した。民放の感情的な報道に右往左往して、自ら作った法律を忘れ雇用調整を禁じるかのごとき発言をした政治家達に比べ余程しっかりしている。

セーフティ・ネットの不備以外に、もしトヨタなどが非難されるとすれば、派遣会社の違法行為に気づかない振りをして派遣労働者を利用した疑いがなくもないと私は思うが、事実はどうかわからない。だが、それは派遣切り自体が悪という理由にはならない。

ネットで調べると財部誠一氏のように派遣切り批判は誤りと明快に指摘する声もあった。感情的な反発が帰ってくることを予想すると、勇気ある主張だと思う。氏の言うように、メディアの扇情的な報道は海外市場に依存する企業に出て行けと言っている様に私も感じる。■

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お久しぶりです。 (fisher)
2008-12-16 13:54:23
お久しぶりです。

僕もそう思います。過剰投資が問題なら生産を減らす必要があり、その際に雇用調整することは当然だと思います。
問題なのは、組合などで雇用が守られている人ではないかと思っています。非正規社員と正規社員とで能力以上に給料が異なることは問題です。もし正規社員の給料が少なければその分非正規社員だった人が雇え、国として失業率を下げることにつながります。
首切りを我慢し、みんなで職を失うことを美と考える人もいるのかも知れませんが、僕はそのような考えはおかしいと思っています。
円高になりドルベースでは給料が急激に上がっています。一方、今の経済とは対照的に労働組合では賃上げ交渉を行っています。ここが一番の問題ではないのかと思います。
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お久しぶりです。 (sandy)
2008-12-17 12:18:52
お久しぶりです。

同感です。

この2、3年私は労働分配率をもう少し高めるべきと感じていました。しかし、それは非正規社員に厚くすべきと私も思います。遅ればせながらセーフティネットを見直して充実させていく動きもあるようです。

ただ足元の経済状況が余りにも厳しいのでその余力がない。特に大半の雇用を担っている中小企業の倒産は増加し、サバイバルモードに入っている、というのが経営者の本音でしょう。

円高は輸出産業には大打撃ですが、円高下で消費者は生活を低燃費にする工夫をして凌ぐ知恵があると思います。
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