かぶれの世界(新)

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親馬鹿バーンアウト症候群

2008-11-10 12:42:47 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日、長男が自転車でツーリングに出た。初日は大月、昨日は甲府に泊まり、今日は昇仙峡に行き石和に泊まる予定と、家内の携帯に連絡が入ったと聞いた。事故も無く走っているようでホッとした。こういう時、私は異常に親馬鹿になり、考えうる最悪事態を想像して心配してしまう。

1週間前ツーリングの計画を聞いた時、トラック通行の多い甲州街道を自転車で走るのは危険だと思った。私の経験では今の時期の山間部は気温が下がり、特に下り坂走行時に一気に体温を奪われ運動能力が低下する。交通量が多く路肩の狭い幹線道路の下りは注意が必要だ。

1ヶ月前頃から休職している娘も心配のタネだ。春から夏にかけて通信インフラシステム変更の支援業務を担当し、深夜や週末でも待機して神経が磨り減る仕事が続いた結果、体調不良になったらしい。2週間前に夫君の車で実家に戻り、週末だけマイホームで過ごす生活が続いている。

二人とも詳細は語らないが、激務の後の農閑期に入り心のどこかに開いた穴を埋めようとしているのかもしれないと思う。会話が途切れると、それ以上は聞いてはいけない雰囲気が出て来るので、直に聞いた訳ではないが、私にはピンとくるものがある。

二人の子供の出来事は、私のサラリーマン時代を思い出させる。80年代から90年代にかけてシリコンバレーに出張していた頃、取引先のカウンターパートが退職し、別の会社で会うことがしばしばあった。ハイテックとは全く関係ない不動産業やワイナリ経営に転じた友人もいる。

当時のシリコンバレーの激しい競争とハードワークは伝説的で、バーンアウトシンドローム(燃え尽き症候群)という言葉を私が初めて聞いたのはこの頃だったと記憶している。私達はそういう話を聞き驚くと同時に、我々はそういう連中と競争していると認識し自分に鞭を打って仕事した。

一方で30過ぎた私は仕事以外の気分転換のためバドミントンをやり、バイクに乗るようになった。決して上手くないのだがのめり込む程に熱中した。当時、徐々に責任ある仕事を任されるようになったのは嬉しかったが、失敗できないというプレッシャーも高まり、ガス抜きが必要だった。

よく考えれば息子の自転車ツーリングの危険なんてたいしたことない。私が同じ年の頃はバイクに乗っていた。土曜の深夜甲州街道をぶっ飛ばし、富士五湖、清里から軽井沢などに日帰りライド、遠くは尾瀬や信州から四国までツーリングを楽しんだ。バイク運転で何度か危険な経験をした。事故で怪我したこともある。もう時効だが、女の子を乗せて飲酒運転なんてひどいこともした。

私には何らかの息抜きが必要だったと今になって思う。30年経って、子供達が同じ年代になり夫々の仕事や生活から私と同じような経験をしているのだろうと思うと、この年になって初めて親の気持ちが分かったような気がする。子供達がバーンアウトしてないか、うまく気分転換できているか気になる。

私のほうがよっぽど無茶なことをした。しかし、母と祖母は田舎で暮らしていたので、私が何をしているか知らなかった。余計な心配をしなくて済み良かったのかもしれない。だが、いざ我が子のこととなれば、自分のしたことは棚に上げて根掘り葉掘り心配してしまうのは、もう理屈ではない。■

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