八十路徒然なるままに

早稲田かりほすなど、とりあつめたる事は、秋のみぞ多かる。また、野分の朝こそをかしけれ。徒然草より

日向ぼっこ

2013年02月09日 19時32分53秒 | Weblog
外は冷たい風が吹いている。気持ちよさそうに、眠ってしまった。ちょっと、話し相手をしたら、「なんとか、かんとか、おねえぇがあぁぃしぃまあぁ-すぅって、云ったんだぁ」って、云っていた。なんのことかわからなかつた。「カステラ、食べっけぇ」と、云われたようだ。「おねえぇがあぁいしぃまあぁ-すぅ」って、抑揚をつけて、真面目顔で話しをした。ばあちゃん曰く、「うめぇがぁら、ありがぁてえぇんだぁ」って。食べるのが、楽しみで、待っている。ある時は、孫が「ばあぁちゃん、メロン買ってきたよぉ」って、メロンを見せて、「あとで、切ってくっからぁ」と、見せたようだ。午後のヘルパ-さんが来たときは、べそをかいていたようだ。ヘルパ-さんが、「どうしたのぉ」って、聞くと、「メロン持ってかれっちゃつたぁ」って、云うので、ヘルパ-さんが、大笑いしたという。一年前は、もしかしたら、ばあちゃんは駄目になっかなぁって、思った時があつた。飲み物も、食べ物も、舌で押し出してしまう口の動作が、続いていた。一年前のある朝、ばあちゃんの朝ご飯の時をのぞいた。介護をしている巳年生まれの娘が「それ飲め、それ食べろ」と。寅年生まれの、それもなんとか寅といって、言い出したらどうにもならないばあちゃんに、無理強いをしていた。すぐにやめさせた。まえまえから、ばあちゃんは、少ししか飲まない、少ししか食べないと、聞いていた。スプ-ンで、口に入れても駄目。舌で押し出してしまう。このしぐさを、忘れせることが、先決だと、思ったが、どうしたらいいのか、試行錯誤をした。まず、眠らせること。しかし、認知症のなかなか寝つかれない症状だ。脱水状なので、うつろな目をしたり、気力もなく、疲れて眠りはじめて、そのまま、眠り続けていた。時々声をかけても、反応がない。眼覚めさせて、無理に、水分を補給しようとしても、舌で押し出してまうと、どうしたものかと苦慮をした。声をかけても、反応がない。おむつ替えの時、介護をしている娘とふたりで歌っていた大好きな歌を、ばあちゃんの耳元で、「かぁらぁすう、なぜなくのぉ、からすはやぅまぁにい、かわいい七つのこがいるからよぉ」って、歌ってみた。ばあちやんが、かすかに、頭でうなずいたので、これなら大丈夫だと、安堵をした。-続く-。
コメント
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