6月10日付、毎日新聞 コラム発信箱 夕刊編集部 小国綾子氏(以下、抜粋)
・・・インターネット上で言われて、あなたが「悪口」と感じるのはどの言葉?
① まじめだね
② おとなしいね
③ 天然だね
④ 個性的だね
⑤ マイペースだね
これ、無料通話アプリ「LINE」の運営会社が静岡大と研究中の、ネットコミュニケーションを学ぶ授業での質問だ。
静岡私立中のある2年生クラスで尋ねて見たら、一番多くの生徒が選んだのが、「個性的だね」だったと言うから驚いた。
他人と同じであることに価値を置く同調圧力の強い彼らの人間関係は、褒め言葉であるはずの「個性的」すら悪口になってしまうのか。
・・・同じ授業でLINEにストレスを感じる場面を尋ねたところ「すぐ返信がない」の次に多かったのが「なかなか会話が終わらない」だったという。
・・・「個性的だね」と言われることすら恐れる子供たち。その向こうには「個性的」であるより、組織や集団で浮かないように生きている親たちがいるのだろう・・・
「う~む!」と腕組みをしてしまった私。
「個性的」という言葉に魅せられている私ではあるが、確かに、それを、諸手で享受できないものが有るのを感じる事がある。
私に向けられる「個性的だね」という称賛は、多分に、「あなただから出来るんだよ」という、ちょいと差別的な影の声が潜んでいるようだ。
私は、居直って、「そう、私だから出来るの」と言い返すけれど、内心では、「そんな言い方無いでしょ」と思い、それに耐えるのは、結構、辛いものがある。
で、「私は、個性的な人間だから耐えられる」と、自分自身に言い聞かせ、「言ったところで、分からんし・・・」と、納得する事も、ママ、ある。
要は、現状の日本で、「個性的」を褒め言葉と認識させるのは、そう、簡単ではないとj感じるのだが・・・如何。