見もの・読みもの日記

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アイスショー"Fantasy on Ice 2017 新潟" 2日目+千秋楽

2017-06-20 22:56:46 | 行ったもの2(講演・公演)
Fantasy on Ice 2017 in 新潟(2017年6月17日 14:00~;6月18日 13:00~)

 週末、新潟でアイスショーFaOI(ファンタジー・オン・アイス)を見てきた。FaOIは私の一番好きなアイスショーである。チケットは高い(SS席 21,000円)上に、近年、争奪戦が激しくて定価で入手できた試しがない。しかし大枚を投じても、それを後悔したことはないのだ。

 FaOIの会場は年によって変わるが、私は新潟の朱鷺メッセが一番好きだ。仮設会場のため、観客席の段差が小さく、前が見にくいという欠点はあるが、リンクと客席の高低差も小さいので、選手がとても身近に感じられる。2日目の終演後、羽生くんが「ここの氷はとても滑りやすい」と言っていて、なんだか自分がほめられたように嬉しかった。

 今年の出演スケーターを記録しておく。羽生結弦、宇野昌磨、本田真凜、織田信成、安藤美姫、鈴木明子、以上は先月の幕張公演と同じ。坂本花織、荒川静香が加わった。海外スケーターは、プルシェンコ、ステファン・ランビエール、ジェフリー・バトル、ジョニー・ウィア、ハビエル・フェルナンデス、エラジ・バルデ。新潟には、ラトビア男子のデニス・バシリエフスとロシア女子のメドベージェワが参加。アイスダンスもパパダキス&シゼロンに交代。エアリアルはチェスナ夫妻、それにいつものアクロバット二人組。ゲストアーティストは杏里、藤澤ノリマサ、そしてピアノ演奏とヴォーカルの木下航志。

 しかし何から書けばいいのだろう。土曜も日曜も楽しかったけど、やっぱり千秋楽は弾けるなあ。オープニングの羽生くんは猫耳をつけて登場し(杏里の「キャッツ・アイ」で群舞のため)、腹チラどころか、ガバッとシャツをめくって、会場に悲鳴を巻き起こした。衣装は色違いのキラキラTシャツ。羽生くんはブルー。織田くんも猫耳装着でステージに飛び乗り、杏里とダンスでコラボしてた。

 群舞のあとの一番手は坂本花織ちゃん。カッコいい「007」プロ。次がデニスだったと思う。イギリス映画に出てきそうな正統派美少年で、師匠のランビ先生を思わせる滑り。好きなスケーターだけ書いていくと、プルシェンコは肉襦袢スーツの「Sex Bomb」と「東日本大震災の被災者に捧げる」プログラム。私は両日とも北側だったので、「Sex Bomb」でプルシェンコが観客席に乱入してくるのを近くで見ることができて楽しかった。こういうプロは、朱鷺メッセみたいな小さい会場だとほんとに楽しい。ただ、幕張公演では肉襦袢スーツできれいなジャンプを決めていたのに比べると、疲れのせいか、キレが落ちていたように思う。千秋楽、南側の舞台袖で大きな団扇のようなものを振ってる人がいるのは見えていたのだが、「プルさま」の団扇(ファンの差し入れ)を振る羽生くんだったというのは、あとで知った。

 ランビエールは前半がしっとりした「Sometimes It Snows In April」。後半は「Slave To The Music」というのか。アップテンポの曲に乗って、黒の上下にキラキラの黒のジャケット、片手だけ白銀(?)の手袋を閃かせて、躍る、回る。片手をあげた低い位置でのスピンの美しさよ。ジョニーは大胆衣装の「How it End」と、藤澤ノリマサさんとのコラボで「アメイジング・グレイス」。後者は幕張の、肩にふわふわ羽根つきの優雅な衣装。千秋楽は、2015年のFaOIで披露した「クリープ」を衣装もそのままに再演。両性具有(アンドロギユノス)な雰囲気がジョニーにぴったり。FaOI常連のこの二人については、個人的に「もう一度見たいプロ」が他にもたくさんある!

 ハビエルは、木下航志さんとのコラボ「A Song for you」が珍しく真面目なイケメンプロですごくよかった。あと1つ、2日目は海賊プロ(パイレーツ・オブ・カリビアンか?)で、椅子に座って寝呆けている親分(実は安藤美姫ちゃん)の腰から引き抜いた剣を持って、くるくる舞う所作が武侠ドラマみたいで笑った(具体的にいうと琅琊榜の藺閣主を思い出していた)。千秋楽は、だぼだぼのオーバーオール姿でチャップリンプロ。また、安藤美姫ちゃんの「Eres tu」に途中からス~と入ってきて、後半はコラボで滑ってくれた。

 初めて生で見たメドベージェワは、テレビの中だと「手足が長すぎる」印象があったが、リンクではその長い手足の映えること。荒川静香さんの変わらぬ身体能力の高さには驚嘆した。織田くんよかったなあ。特にランビ振り付けの「To Build A Home」(The Cinematic Orchestra)は美しかった。ミスもなく完璧。

 そして羽生くんのバラード1番は、幕張3日目ほどの完成度ではなかったけど、楽しかった。満場の観客が心をひとつにして固唾を呑んでる感じがすごく気持ちよかった。2日目のアンコールは、幕張と同じ「Let's Go Crazy」。千秋楽もアンコールがあることは分かっていたけど、ステージ上でギター生演奏が始まったときは会場騒然。「パリの散歩道」のサビで、バラード1番の衣装のまま(腕まくりして)羽生くん登場。踊りまくって、北側はヘランジ(笑)を正面でいただきました。

 その興奮も冷めやらぬフィナーレは「希望の歌(第九)」。衣装は銀のTシャツに黒の襟付きジャケット、胸の正面に青いリボンが付いている。女子は上下キラキラの青。羽生くんは、猫耳ならぬ「プー耳」をつけて登場。よく見ると、他にも猫耳をつけたスケーターがたくさんいて楽しそうだった。スケーターが全員退場したあと、羽生くんのマイクパフォーマンスで「人生で、そんなに長い人生じゃないけど、一番楽しい梅雨でした」という発言に拍手。FaOIに戻ってきてくれてありがとう。東京に帰りついたときは雨が降り始めていたけど「人生で一番楽しい梅雨でした」が胸に残っていたので、寂しくなかった。

 なお、新潟のプログラム(冊子)は、バトルのインタビューと羽生結弦のインタビューを掲載。読み応えあり。むかし、アイスショーのプログラムって、写真しか載っていなくてつまんないんだなーと思ったことがあるが、FaOIは、このへんも観客層のニーズをよく分かっている。
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