■天台宗別格本山 浮岳山昌楽院深大寺(調布市) 東京国立博物館「出開帳」記念・元三大師胎内仏「鬼大師」特別公開(2021年11月3日~11月21日)
いま、東博の特別展『最澄と天台宗のすべて』に慈恵大師(別名は元三大師)良源坐像が出陳されていることを記念し、その元三大師像の胎内仏である、秘仏・鬼大師像が深大寺で御開帳になっていると聞いて、見てきた。文化13年、江戸両国で元三大師像と鬼大師像が出開帳されて以来、205年ぶりの御開帳だという。あわせて、江戸時代の版木を用いた元三大師さまのお姿の復刻版画札を限定授与するというのも楽しみにしていたが、予定数を終了していて、いただくことはできなかった。
鬼大師像は像高15cmくらい。全身真っ黒で、カッと口を開け、丸い金色の目が輝く。二本の角が長いのが、なるほど、鬼大師像だと思わせる。東博の特集展示『浅草寺のみほとけ』に出ていた角大師坐像に比べると、童話的でかわいらしい感じ。秘仏なのだが、以下の記事に写真が掲載されている。
※205年ぶり「鬼大師」公開 調布・深大寺、疫病退散を祈願(毎日新聞2021/11/5)
境内は大賑わいで、鬼太郎茶屋にも深大寺そばのお店にも寄れなかったのは、ちょっと残念。
■東京長浜観音堂 『安念寺 いも観音』(2021年9月15日~11月14日)
日本橋の長浜観音堂にも行ってきた。安念寺(長浜市木之本町黒田)のいも観音さんは、これまで何度か見ている。最近では、2019年に上野の「びわ湖長浜KANNON HOUSE」でも拝見した。あのときと同じ仏様ですか?とお聞きしたら、「そうです。同じ展示ケースを使っているので。ちょうどこのケースに入るのが、この2躯なので」とおっしゃっていた。
寺伝は、左が毘沙門天、右が大日如来と伝えるが、右は、ストンと直立した姿勢、背中の部材などから、千手観音の可能性もあると見られているそうだ。
「いも観音」の名前で安念寺に伝わった破損仏は17躯あったが、十数年前(平成時代!)に7躯が盗難に遭い、現存は10躯。地元では、クラウドファンディングで募金を募り、この夏、観音堂の修復工事が完了したという。よかった!
※長浜・安念寺で落慶法要 修復工事終え「いも観音」がお堂に戻る(長浜経済新聞2021/8/11)
湖北の観音巡礼、また行ってみたい。教えていただいた「観音コンシェルジュ」のサービスも覚えておこう。