見もの・読みもの日記

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2024向島百花園の梅

2024-02-13 21:12:22 | なごみ写真帖

 そろそろ梅の季節なので、「梅まつり」(2024年2月10日~3月3日)を開催中の向島百花園を見てきた。私は両親ともに東京の下町生まれなので、向島(むこうじま)という地名にはなじみがある。子供の頃、百花園に連れてきてもらって、萩のトンネルを喜んだ記憶もある。大人になってから、一度だけ来てみたのだが、なんだか手狭な庭園で、子供のときの感動が得られなくて、それきり何十年もご無沙汰していた。

 確かに広くはない庭園だが、梅の木はかなり多い。マスクを外して香を楽しむ。萼や花芯まで純白の印象が強い「白加賀」という品種が目立っていた。

白梅は一輪を楽しむのもよし、

遠目に見る樹の姿も、なつかしい人に出会うような気持ち。人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける(紀貫之)である。

紅梅はまた、華やかでよいけど。

 向島百花園は、骨董商だった佐原鞠塢(さはら きくう)が、交流のあった文人墨客の協力を得て開園したもの。当初は梅が主体で「新梅屋敷」(亀戸の梅屋敷に対して)と呼ばれたという。鞠塢の辞世が「隅田川梅のもとにてわれ死なば 春吹く風のこやしともなれ」というものだと知って笑ってしまった。江戸人らしい諧謔味が好き。


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