雑踏を避け、静かな山旅を楽しもうと11月上旬に出かけてみた。 北アルプスの2,000m付近の紅葉は1ヶ月前くらいが最高です。ただその時は、たくさんの人が訪れ、静かな山旅とは程遠い世界となります。 山に来てまでと思い、今回は時期をずらしてみた。
悠久の自然を満たし、旅人や山屋の心をも魅了してやまない山岳景勝地。 標高1,500mの信州「上高地」
車を止めた沢渡(さわんど)駐車場では本降りの雨であった。そこからバスで30分上高地バスターミナルに到着。 人影はまばらで、白いものが風に舞っていた。 目の前の六百山(2,449m)や霞沢岳(2,645m)はガスの中うっすらと姿を覗かせ、午前6時にもかかわらず、夕方の様であった。
上高地は明治時代に日本に始めてアルピニズムが誕生した場所だそうです。 「日本アルプスの父」と呼ばれるウォルター・ウェストンが徳本峠(とくごうとうげ)を越えて、この別天地に下り立った時の感動は、今でも初めてバスを降り、梓川や穂高の山々を仰ぎ見た時の喜びとなって、訪れる人々の胸をうちます。 付近の遊歩道は、とても良く整備され子供さんや女性、そしてお年寄りにも安全にノンビリ散策が楽しめます。
上高地で一番賑わうのは河童橋付近です。 この梓川に架かる吊橋の奇妙な名から芥川龍之介の「河童」が創作されたとの事であります。
小梨平のビジターセンター横を流れる小川では気持ち良さそうに泳ぐ大きな岩魚を見かけ、自然を存分に感じる事が出来ました。
雪は次第に雨に変わり、明神岳の白い上部が見えてきた。 普通であれば40分ほどで、明神に着くのに、変わり行く1つ1つの景色に感動し、1時間5分もかかってしまった。 明神館通過8時。