九州が豪雨に襲われ、その様子をテレビで目の当たりにし、不安は拭い切れなかった。 九州から四国と太平洋側に前線が停滞していたが、これ以上北上することは無いように見た。行く先は山なので、時期的に見ても雨は想定内であり、それなりの準備で山に入った。
大清水に3時40分着。 直ぐ仮眠に入った。途中の道中は酷い雨に降られることも無く、順調に麓入りできた。
今回の尾瀬ハイク案内に『遠くに聞こえる野鳥のさえずり、季節を彩る可憐な花々、長く長く続く木道。写真で見るあの風景の中を歩こう』とタイトルを入れた。
また、尾瀬の最大の魅力とは、尾瀬ヶ原に代表される湿原の美しさであり、地塘の神秘さや植物の可憐さを堪能することができる事だと思います。
ただ大清水から入山すると尾瀬沼に入るまでのアプローチが3時間と長い。 今日の宿『東電小屋』までは、休憩含めず大清水から約7時間である。
同行の女子は丹沢以外初めての山行であり、どの程度ある歩けるのか不安があった。歩き出しから構える事無く雑談をしながら歩を進めた。 所が急かせる訳では無いのに、休憩を含めても、ほぼ標準タイムで歩き抜くのにビックリした。 結局、私のピッチが遅く逆に迷惑掛けてしまった様な状況でした。
この時期の尾瀬は混雑して当然なので、1日早く連休の前に入山、この1日の違いで場所によっては、長い木道を貸切状態でノンビリ独占できた。 時間の許す限り木道に腰掛け尾瀬に浸るのも最高の贅沢である。
花は、この時期ニッコウキスゲを期待し、大江湿原付近が沢山では無いが良い感じに見る事が出来た。 他にはヒオウギアヤメの群生がいくつか見られ、
全体的にはワタスゲが沢山見られた。 けど、雨が多かったようで、ふんわりした丸い綿状ではなく、早く好天が続き乾くことを祈った。
所が2日目は早朝から本降りの雨。 皆このために揃えた新しい合羽に身を包み、万全の態勢を整えた。 誰しも雨は望んで無いが、仲間は皆元気で雨を楽しんでやろうと言う勢いであった。
なのでヨッピ吊橋近くのベンチで、小雨が降ってはいたがコーヒータイムにしようと休憩し、こんなに雨を気にせず、皆と楽しく過ごせていることが不思議と言うか、楽しかった。
晴れた青空の絵は旅行雑誌や観光ガイドブックなどで見られるが、雨の日の良さと言うものは現地を歩いた者だけに与えられた特権であり、仲間はそれを充分に楽しんでいてくれていた。
厳しい環境の中で、私達の目を楽しませてくれる高山植物。 小さい可憐な姿を見ていると今の自分を最大限に生かし大自然の中に彩りを添えている。ひ弱そうだけれども力強い。自然から学ぶことは沢山あります。