冬でしか見られない、氷柱、氷瀑の冷や汗の出る涼しい世界を楽しんできました。 前日の夜に出発、道中雨で心配しましたが、当日は素晴らしい天気になり最高のコンディションでした。 ここ雲竜渓谷は2011年『山と渓谷』という山岳雑誌で紹介されてから冬季限定の観光地となっています。
薄暗い中の神橋を横目に東照宮を迂回するように車は霧降高原方向に進め、雲竜渓谷への林道をつめました。 林道は狭く、日曜日の上、天気良好につき沢山の人が入るだろうと予想され、林道に入って間もなく広い場所には、すでに車が止まっており、とても慎重な方だと思いました。 この雲竜渓谷までは林道歩きが長いので、少しでも奥へと車を進めましたが、中間あたりだろうか 前方でタクシーが止まっており、急坂の上りでスピンした車が林道をふさいでいるとのことでした。 いくらスタッドレスタイヤだからといっても、万全ではありません。 仕方なく下方の広い路肩に車を止め、歩くことにしました。7時45分出発。
途中2度休憩を入れ、9時10分に稲荷川展望台に到着。 周りの風景は枯れ木に白い花が咲いた様に霧氷が見られた。 登りの林道は不用意な歩き方をしない限り、充分アイゼンなしで歩くことができました。 簡易トイレのある雲竜渓谷入口に10時15分到着。
ここからは急な階段を下りて雲竜渓谷に入るので、全員アイゼンを装着した。
渓谷内では3度アイゼンを付けたままの徒渉があり、この時期に川に落ちては大変なので、皆さん慎重になり行きも帰りも渋滞していました。
夏であれば一番奥に雲竜滝があり、途中の渓谷両サイドからは雫がポタポタと落ちているだけの普通の渓谷ですが、激寒の時期には、その姿を一変させるところが、岳人を引き付けるのです。
進むにつれて渓谷両サイドの氷柱が目に入り、心が躍りだし、寒いけど そんなことは言っていられず気分が弾んだ。 でも指は寒さに弱く、素手でカメラを操作していたら爪が割れ血がにじみ出てきた。
ザックを開けたり、アイゼンやスパッツを装着したりの作業は、寒い中で無理やり進めるもので手に怪我をすることが多い。 何せ手の感覚が消える前が勝負なのである。
今年は、どこのスキー場も雪不足に悩まされたほど暖かく、ここ雲竜渓谷も激寒の年はギリシャ、パルテノン神殿の柱に似た氷柱が数本できると聞いたが、今回は1本見られただけでした。
現地には凄く太い氷柱の折れた残骸を沢山見かけました。 その様子では一時は冷えて出来上がっていた氷柱が気温が上昇した時に砕け折れてしまったようでした。 自然が相手では仕方ありません。
でもまだまだ氷柱は見頃です。 が、これからドンドン溶け始める時期なので頭上から氷が落ちてくることもしばしば。 ヘルメットの安全対策も必要です。
渓谷の氷柱でアイスクライミングをされているグループを見かけましたが、登りながらアイスアックスを打ち込むとバラバラと氷が砕け落ちる瞬間を見かけました。 下を歩くのに危険を感じ、素早く通過しました。
約1時間ほど、冬だからこそ見られる風景というか、自然の芸術をノンビリ堪能してきました。
11時半、渓谷を後にし、途中の徒渉で沢に落ちないよう皆で慎重に通過しました。
帰りの林道歩きは約2時間、行きは結構な登りであったのに驚きました。 アイゼンを外して歩き始めた直後に滑りビックリ、最後まで気は抜けません。 車に到着13時40分。お疲れ様
もっと冷えて氷柱がたくさん出来た時に、再度挑戦したいと思いました。 暖冬と言う言葉がくせ者です。