かつて鉄道の町として栄えた 旧国鉄の山北駅、その直ぐ南側の一角にSLのD52が展示された“山北鉄道公園” があり、町のシンボルになっています。
山北駅の沿線には約 130本の桜並木が存在し、この春には一気に咲き乱れ、一見の価値は十分にあります。 現在『やまきた桜まつり』が開催されています。
開花時期には桜のトンネルができ、その中を抜けてくる電車を撮ろうとカメラマンが沢山見えています。 素人としては、満開の時は どこを撮っても絵になる感じがします。
1889年に東海道本線が開通し、山北駅が開業。
町などによると、ピーク時には駅員ら関係(国鉄)職員が 650人程度おり、山北は鉄道の町として繁栄を極めていました。 駅弁では「鮎ずし弁当」が有名であったようです。
ところが、1934年に熱海と函南をつなぐ『丹那トンネル』が開通し、東海道本線は小田原~熱海経由に代わり、従来の区間は「御殿場線」に変わり、さらに単線化されるなどして次第に衰退していったのです。
今は現代病に侵され、少子高齢化や人口減少といった課題に直面しているとのことであります。
往時の賑わいを取り戻そうと、町は地方創生事業の一環として、山北鉄道公園に静態保存されていた蒸気機関車D52-70号機を自力で動くように整備しました。
動力はボイラー復元による石炭燃焼ではなく、大型コンプレッサーを 2基搭載して、圧縮空気を動力源とした方式を取っています。 なので力強い黒煙は出ません。
運転距離は公園内の現行軌道を 12m延長しただけの短い距離ですが、旧鉄道の町として当時は機関区や転車台もあり一時期は東海道本線でもあったので 大井川鉄道のように、御殿場線でも国府津駅~御殿場駅位まで蒸気機関車が力強く走る姿を夢見ています。