富士の湧水で有名な忍野八海の北東に位置し、富士山の好展望台として知られる高座(たかざす)山から杓子山を歩く。
忍野村では駐車場が見当たらなかったので忍野小学校から中学校の脇の道を進み、鳥居地峠にある駐車 スペースに止めた。
鳥居地峠に7時 10分到着。20分で準備を済ませ出発。 最初は道標に沿って林道を登る。
早朝でヒンヤリと澄んだ空気の中は、木々の新緑 も目に入り清々しい気分で歩ける。
15分ほど林道を進んだら、左手に「杓子山登山口」の案内板が見え、そこに❝注意書き❞があり「4月29日(土)は野焼きにつき入山禁止!」エッと思ったが、今日でなかったので前進。
登山道の脇には沢山のミミガタテンナンショウが見られた。
登って直ぐにカラマツ林を抜けるとカヤトの斜面が開け、上部には杓子山の前衛峰ともいうべき高座山が見えた。 通過、8時丁度。
左手は雑木林だが右手斜面に一面のカヤト、その下には忍野の町並みが見えた。 雑木林とカヤト原の境に登山道があり、土の道で ほぼ直登、雨上がりなどは 避けたい道である。 急な登山道脇には鮮やかな色をしたボケの花が存在感を示していた。
カヤト原の上部についた。振り返ると大きく裾野を広げた素晴らしい富士が見えた。8時 22分。 29日に「火入れする。」という ❝注意書き❞ は、この一面のカヤト原に奈良の若草山 山焼きの様に燃やすのだろうと思った。 春先、枯草を焼き払う野焼きは、その灰が馬や牛の飼料となる草の成長を促し、ワラビやゼンマイなどが顔を出す。春野の風物詩であります。
この高座(たかざす)山(標高 1304m)への山頂直下の急登も、後からの富士山の応援を借り頑張る。 8時 35分、山頂に立つ。 眼下には忍野集落が、そして富士の裾野の広大さが圧巻であります。小休止5分。
8時 40分、次の目標「大権首(おおざす)峠」を目指す。 灌木帯の中をわずかに下り、その後はほぼ平坦に近い尾根道を進む。
多少のアップダウンと一ヵ所岩場の通過が有ったが、難なく通過。 若葉や春の花を探しながらの ❝陽だまりハイク❞ ではなく、この日は暑くて Tシャツで歩いた。 タチツボスミレ
ミツバツチグリ
9時 05分、送電鉄塔の下を通過。
鉄塔の先を登って尾根道は続く、木の根や岩に注意しながら。
フデリンドウ 歩いていると見上げるように咲いている、小さく可憐な花です。
9時 20分、大権首(おおざす)峠着。 左手より不動湯 からの道と合流。
この峠より杓子山を目指す。林道から右に分かれ登山道に取り付く。
赤松とカラマツの中をジグザグに登る。足元には可憐なヒトリシズカが咲いていた。
ハンググライダー離陸台上部からの高座山と富士。
この登りではヤマザクラがあちこちに咲いているのが見えた。
山頂に近づくにつれ周りの木々の丈も低くなり、直登気味にきつい斜度を登る。
10時丁度に杓子山(標高 1598m)山頂に着いた。 山頂に建つ小祠。
展望の良い山頂は広く、テーブルベンチが4つありノンビリ 15分の休憩をとった。 西側には天上山や昨年の12月に登った霜山が続く府戸尾根で河口湖は望めなかったが、手前に富士吉田市街が広がり、遥か遠くには南アルプスが望めた。
とにかく明るい山頂で、先程の高座山からよりも富士山の展望は良好で、富士の左手には山中湖が望めた。
珍しく山頂で3名の登山者とお会いした。 備えられた 「天空の鐘」 を突き、10時 15分 鹿留(ししどめ)山に向かう。