
富士山南東側の中腹にある寄生火山。 宝永 4年(1707)の噴火
活動によって生じた火口は北北西から南南東方向に三つ並んでいる。 この噴火は溶岩は流出せず火山灰の噴出が多く、江戸市中まで降灰があったとのことです。
今回はその宝永山(2693m)を歩いて
来ました。今回は2回目の挑戦。
前回は大石茶屋の分岐案内を見逃し、ブルドーザー道沿いの御殿場ルートを登ってしまい、突風が
吹き荒れていたので標高2千m付近で撤退。
御殿場口新五合目駐車場に 6時半到着。富士山頂や宝永山はハッキリと確認できた。
20分で準備を整え、6時 50分
出発。
新五合目登山口の鳥居をくぐり
、売店横の登山届投函箱に入山届を提出し大石茶屋に向かう。 この時期になると入山禁止のゲートが作られているが、天候を確認し自己責任で入山。 大石茶屋
までは足慣らしの形で歩くリズムを作りながら登る。
大石茶屋通過、7時丁度。 茶屋の左手にある分岐標示を
確認
、前回は右の階段を登って前進し失敗した。
今回はしっかり確認し、階段の左手へ
と進路を
とった。 こちらはブルドーザー道と違いキャタピラーの跡は無く、完全な登山道であり高度を上げて行くにつれ登山者の踏み跡は見にくくなり、登山道標示としてロープが備えられているのを頼りに登高。
今日の天気予報は晴れとなっていたので、宝永山の火口見学を実施ししたのに大石茶屋から二ツ塚(下双子山:1804m)までの登りはガス
の中であった。
なので黒い火山灰の登山道では、どこを見ても真っ黒、ロープの標示は非常に有難かった。
二ツ塚から宝永山の南面に回り込んだ四辻から御殿庭上辺りまでは、秋晴れの感じとなり斜度もなく気持ち良いハイキングが
できた。
東側は風が無いせいかガス
が流れず、登山道斜面に張り付いていた。
だが南面は軽いアップダウンの道で、静かに秋
を感じられる景色がとても素晴らしかった。 三辻 通過、8時 16分。
宝永山を中心に大石茶屋から時計
回りに南側から西側に回り込むように火山灰の道を
前進。 小天狗塚 通過、8時半。
御殿庭入口の手前から見た宝永山。 群馬県と長野県の県境に聳える
「荒船山」
の様に見えます。
御殿庭入口
通過、8時 46分。
ここからは御殿庭下、御殿庭中( 9時 28分通過)、御殿庭上そして第二火口縁へと厳しい
登りが続いた。 休憩は控え、黙々と登り続けた。
ただ厳しい登りと強い日差しの中といえども、樹林帯の中であったことに救われた。
地図上には山体観測装置と表示された個所を通過する予定であったが、場所の確認はできなかった。 既に森林限界は超え、岩礫や火山灰の滑り
易い登山道となり、疲れていたので非常に歩き難かった。
第二火口縁通過、10時 12分。
第一火口縁通過、10時 27分。
ここは富士宮口登山道の基点である富士宮口五合目に大
駐車場があり、そこから何組もの団体が宝永山を目指し、この辺りのみ賑やかであった。
登る左手に山小屋の宝永山荘
が確認できた。
第一火口縁からは宝永山の北にある馬の背に向け、火口に下って馬の背に向け登る吊り尾根を進む。 団体さんと合流すると歩き難くなるので、休まず第一火口に向けて吊り尾根を
行く。
第一火口と第二火口の間の登山道が吊り尾根
の様に見える。 その鞍部で宝永山を目指す団体が休憩
を取っていた。
この左手に見えるのが宝永第一火口である。
自分は休まず馬の背に向けて
前進。 この登山道が砂走りを登る道で、1歩踏み出しても半歩くらいズルズルと戻ってしまう非常に疲れる
登りで参った。
その上、途中で大腿四頭筋が
痙攣し駄目かと思ったが、ゆっくりとマッサージを行ったら正常に回復し、立ち休憩を入れながら登った。
今日は運良く、風が無く物が飛ばされる心配もなく寒さ
を感じることも無かった。 その代わりというか、ガス
が動くことがなく近辺の火山灰の景色のみであった。
登山道の分岐にぶつかり、直進すると馬の背へ、自分は宝永山を目指して来たので右折というか東に進路をとった。 尾根に出たら間もなくで宝永山
山頂に到着した。11時 22分。
既に到着されている方に伺ったら、もう 30分くらい待機しているが一向にガス
が消える気配はないと話して下さいました。
自分も、この無風状態では期待は薄いと思い 10分
休憩して馬の背に
向かった。
砂礫状の火山灰の尾根を北へ進路をとった。10分弱で馬の背に到着。11時 40分。
山頂からの景色には恵まれず、待機しても天候回復の気配は感じられず、これ以上登ることは諦め、下山することとした。 ガス
が流れると瞬間的に周りの景色が見える。その時の北東下方に下山道に使う大砂走りが確認できた。
最初はガスが濃く4~5m先しか見えない時があり、往路を戻ろうと考えていたが下りでも優に 3時間は掛かるので思案。
よし
やはり登山計画書通りに大砂走りを
下ろうと決定した。 大砂走りに入っても一面黒い砂礫の火山灰であり下山道の砂走りか、ただ普通の富士山の斜面かを
見極めることに集中しながら下った。
周りを見渡しても人の姿は無い。こんな時期に砂走りを下る人間が珍しい。 地図を確認しても東に向けて真っ直ぐに大石茶屋
に向けて下っている下山道。
下ったのを登り返すことはできないので、地図を信じて
転倒に注意し長距離走と同様に腕をしっかり振り一定のリズムで標高差 1200mを直滑降で
駆け下りた。
時折、サッとガスが流れ広く景色が見える時があり
、瞬間的にホッ
とする。 その時に視界悪化時のために用意された誘導用標柱やロープの位置を確認し、目標とした。
日本一の富士山
の余りにも広い斜面に1人の人間が居ても、1個の砂粒や小石の様で、改めて超広大な裾野に驚いた。
駆け下りながらも 、本当に大石茶屋に出るのだろうか
という不安はぬぐえなかった。
ガスの中に薄っすらと木立が見え始め、小雨の中 キャタピラーの踏み跡を
下る。 馬の背から下り初めて1時間 10分、広い空き地に出た。 そこには自衛隊のジープが止まっていた。
自衛隊の演習地の中に下ってしまったのかとびっくりした。
でも、右手に道路と駐車場らしき場所が見えたので、そちらに
移動した。 そこは大石茶屋を過ぎて御殿場口新五合目駐車場(標高1440m)の下の道路であった。
ブルドーザー道は大石茶屋の北側を駐車場の方に下っていた。 道路を御殿場口の
駐車場まで登り返した。 無事帰還 12時 55分。
直ぐに着替えて、下山届を提出し帰途に着いた。
宝永山の南面は快晴で気持ち良く歩けましたが、山頂近くではガスに好かれて離れてもらえませんでした。
山頂からの景色を楽しみにしていたのに! 1人で歩いた剣岳や黒部下の廊下では、怖い思い出がありますが、この先どうなるんだろう?のドキドキ感てたのしいです。