大船で乗り換え横須賀線で北鎌倉へ、右手に白鷺池が見え、間もなく進むと左手に円覚寺の総門が目に入る。
この時期は、これと言った花も無く参拝者は少ないだろう?と思っていたが、北鎌倉駅に下車したら改札も少ないせいもあり、なかなか進まず、鎌倉の人気の高さに驚いた。
みな歩く方向は同じであり、総門から山門、仏殿、大方丈へと参拝して行く。
自分は拝観受付でご朱印をお願いし、多くの人の流れを外れ、夏目漱石や島崎藤村が参禅止宿したことで知られている帰源院へ向かった。
拝観はできないが、この階段を夏目漱石も島崎藤村も歩いたのかァ~と思いを馳せてみた。
夏目漱石が初めて鎌倉を訪れたのは、1894年(明治27年)、27歳の頃。 当時は結核と疑われた病、教師という職業に対する不満などの精神的苦悩がつのり、救いを求めて帰源院に参禅するためにやってきたようです。
小説『門』の主人公・宗助が参禅する場面は、12月下旬から翌年の1月7日まで滞在していた時の体験を再現したものだと言われています。 「彼の頭の中を色々なものが流れた。(中略)断ち切ろうと思えば思うほど、滾々(こんこん)として湧いて出た。」とあるように参禅は失敗に終わるが、3年後に再訪した漱石は当時を振り返り『仏性は白き桔梗にこそあらめ』の句を詠んだとの事です。
円覚寺は臨済宗円覚寺派の総本山で、鎌倉五山第二位の寺格を持つ大寺であります。
開基は鎌倉幕府8代執権の北条時宗、開山は無学祖元(むがくそげん)、創建は1282年(弘安5年)と言われています。
ご本尊は仏殿に安置される木造宝冠釈迦如来坐像。
境内には仏殿、方丈、仏日庵、国宝の舎利殿など18もの塔頭が点在しています。 舎利殿は非公開で見る事はできませんでした。
1889年(明治22年)に横須賀線の開通で分断され、現在の姿になっていますが、かつては広大な寺域であったようです。
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