黒部川源流域を囲む一角に大きく聳える薬師岳(標高 2926m)の御案内です。
《 ※写真は2014(H26)年8月31日撮影 》
薬師岳は、薬師如来を祀る古くからの信仰の山として知られています。 かつては立山大回峰という縦走形態の山岳修験のために登られていたといわれ、その後、山麓の有峰(ありみね)集落の人々による信仰が寄せられてきました。 今ではその集落もダムの底に沈み、奥飛騨の秘境として知られた有峰の風情は失われてしまいましたが、折立まで車で入ることができるようになったため、登山者にとって薬師岳は、とても身近な存在になりました。 太郎平小屋に到着。
私達の登山ツアー仲間は、有峰湖に近い折立登山口から太郎平小屋のある太郎兵衛平までは何度も歩いており、ここでは太郎兵衛平から先を、ご案内いたします。
太郎平小屋から薬師岳に向かう木道を進む。
太郎平小屋から木道をたどり、薬師峠に下り立つ。
ここはキャンプ指定地でもあり、水場やトイレがある。
ここからは樹林帯の沢筋が登山道であり、時期によっては上部に雪渓が残り、ガレ場に道が錯綜して歩きにくい。
薬師平はハクサンイチゲやミヤマキンポウゲなどが咲くお花畑に木道が伸びている。
愛知大学の遭難碑があるあたりから、登山道は左に折れて、ハイマツ帯の尾根東側の小さな窪地を緩やかに登って行く。
やがて薬師岳への尾根に向けて登りとなり、稜線に出ると前方に立派な薬師岳山荘が目に飛び込む。
山荘に荷を置き、防寒対策を万全にして薬師岳山頂に向け片道約1時間の散歩に出る。 登山道のザレた九十九折りの道に取り付く。
稜線の西側斜面から避難小屋跡の見えるピークに向けて巻きながら登って行くと東南尾根と合流する稜線に出る。
大ケルンと避難小屋跡の建つ稜線に出て、左へ進路を取ると間もなく薬師岳山頂に到着。
避難小屋跡から山頂付近は尾根幅が広く、悪天候時の下りでは主稜線を間違えないよう、夏であろうとも十分な注意が必要であります。 厳冬期の1月に愛知大学山岳部13名が主稜線を間違え東南稜に迷い込み遭難した所であります。 薬師岳山頂には薬師如来像が祀られた立派な祠が建っています。
頂上からは北アルプスを一望する大展望が得られる予定でしたが、この日はその点が非常に残念でした。
🌟 薬師岳の圏谷群 🌟 薬師岳の山頂部、稜線東側に南陵カール・岩石氷河のある中央カール・S字状の堆石堤のある金作谷カールが標高 2600m~2700mの高さに並んでいる。
この半埦状の圏谷群は洪積世(氷河時代)の氷河の作用で形成されたもので、日本アルプスの圏谷の中でもっとも、その形態が見事な氷河遺跡であるとの事であります。
10月は孫の運動会が行われ、毎回応援に京都、厚木へと出かけていたのですが、流石今年は移動を控えました。ただこう長くコロナが続くと人混みや会食は控えなくてはと考えていますが、人混みを避けた山歩きは、ボチボチ開始しようと考えている所です。
熊も冬眠に入るだろうから、これからは少し安心して歩けそうです。