乾燥した気候の東京地方。しかし、気密性の高いホテルとビルの地下のお店の行き来では、天気が果たしていいのか悪いのか分からない。季節感ならぬ、普段の陽気さえ感じることができないのも東京の特性なのかもしれない。
というのも、ホテルの目の前の地下鉄の出入り口から地下に入り、総武線の駅まで直線通路で200メートル。ご存知のとおり、総武線は地下深い東京駅に入るが、東京駅周辺は巨大地下街が広がり、私の目指すビルのほか丸の内や八重洲、そのアリの巣のような通路は日比谷、有楽町、銀座まで続く。
雨に当たらず広範囲な移動が可能で、傘いらず。乗り換え通路としても利用されるお店の大家は、雨の日になると、「今日は人通りがありますよー!売り上げ伸ばしましょう!」と、朝礼で気合いを入れる。確かに多かったけどね。
朝の暗いビルに人が吸い込まれる様、夜遅く静かに足音が響く様、これも都会の風景なんだろうけど、私の場合、朝夕いちごを東京駅から手持ちで運ぶ際、僅かに八重洲南口駅前と丸の内南口の横断歩道を渡る時に外に出る。ビルの合間から見る空やビルの窓の輝きは結構綺麗だし、行き交う人やクルマも新鮮に映り、何だか都会のオアシスを感じるひとときでもある。
(写真上:東京駅丸の内口から続くJPタワービル地階のKITTE入口とJR馬喰町から都営地下鉄線を結ぶ通路。写真下:夕暮れの丸の内南口から新丸ビル方向を望む。)