行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

荒川流域を洪水から守る2つの直轄ダムを見て思う

2021年05月08日 | 土木構造物・土木遺産


連休は近場で!と、あてもなく出かけてみたが、先に紹介した壱福堂にたどり着く前に立ち寄ったのは「大石ダム」。何年振りだろうか?
地元からほど近い荒川の支流・大石川に設置されている国土交通省北陸地方整備局管轄のダム(直轄ダム)。重力式コンクリートダムで、高さ87メートル、荒川水系の中では一番高いダムだ。(以外に荒川にはダムが少ない。適地があまりないらしい。)

このダムは、治水と発電を目的とした多目的ダムだが、昭和42年(1967年)の羽越水害により流域に大被害を及ぼしたことから(地元の胎内川流域も甚大な被害でした。)、洪水調整を図ることが主な役割。1970年に建設着手、1978年に完成した。
ダム下流には湖畔公園があって、地域の憩いの場になっているというのだが、連休中といってもこの日は雨。小動物園やゴーカート、ミニSL(今は新幹線になっているとか?)もあるというのだが、そんな開園している雰囲気は感じられない。やっているんですかねー?
そのほかにダム湖の湖畔には植物公園や彫刻公園、オートキャンプ場などがある。ダムの天端の左岸側には管理用のトンネルがあり、地域の大したもん蛇まつりに使われる大蛇が保管されている。大蛇の長さ82.8メートルは、羽越水害の発生した日にちなんだものだ。



大石ダムが荒川下流の治水を担っている一方、上流の治水を担うダムが支流の横川にある「横川ダム」だ。こちらは初訪問。国道113号からも近い。
山形県にありながら北陸地方整備局の直轄ダムで、重力式コンクリートダム。堤高こそ大石ダムに及ばないものの、流域面積、貯水量はこちらの方が上回る。整備局管内の直轄ダムでは最も新しく2008年に完成。
コンクリートの二次製品である「プレキャスト・コンクリート」を採用したり、「回転式スライドゲート」を設置するなど、最新式でコストを縮減する工法が採用されている。

ここでは建設によりダム湖に38戸の住宅が水没することになり、ダム建設反対運動の中で計画が進められたが、補償のほかにもあらゆる水源地整備を盛り込んで妥結に至った経緯がある。
ダム工事では、建設現場の見学会が盛んに行われるようになったのも、そうした住民感情に配慮したもの。もちろん公園や展望台なども整備され、湖底に水没するフクジュソウの群生地や寺のイチョウ大木の移植するなども行われた。
管理事務所の脇にある展望台兼情報館である「きてくろ館」も、この規模のダムとしては貴重で立派な施設である。

大石ダム・横川ダムともに、大水害を契機に洪水調整という重要な役割を担って建設されたものであるが、コンクリートの武骨ながらも雄大な姿を私は頼もしく感じるのだが、そうでもない人もいるようだ。
人々の生命と財産を守り、地域に潤いを与え、生活の利便を図る上でも昼夜問わず支えてくれていることを、もっとアピールし知ってもらわないとね!
コメント
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