今回の忘れ物は十日町市。以前、何度か紹介したJR信濃川発電所の主要施設で、紹介もれがあった。出かける前に、下調べしないからなんですよねー!(2020年9月4日、9月6日、9月9日記事参照)
「浅河原調整池」を追加で紹介する。JR信濃川発電所は、信濃川の宮中取水ダムから取り入れられた水が、水路トンネルにより千手発電所・小千谷発電所に送られタービンを回し発電される。
小千谷発電所(小千谷市)には山本調整池、小千谷第二発電所には山本第二調整池、そして千手発電所にはこの浅河原調整池があって、送水調整や水量確保を行っている。JR東日本が管理する発電施設だ。
ゾーン型アースダムという方式、いわゆる土砂を中心とした堰で、日本ではため池などによく用いられた構造。戦前の工事(1945年完成)で、まだ土質工学が確立していない時期の設計・施工。
堤高37m、堤頂長291m、総貯水量は106万㎥。規模的には山本調整池とほぼ同じだが、貯水量や堤頂長は山本第二が群を抜くという形だが、その歴史的なところでは浅河原が一番の価値があろう。
アースダムとしても貴重だが、宮中ダムからの取水口、圧力トンネルへの送水設備余、池の中央に見える余水吐など、千手発電所と共に目に見えて歴史を感じることができる。天端が通学路になっているのも珍しい。
残念なことは、渇水期なのか水が溜まっていない。農業用水を優先させる時期にあるのかと思いきや、千手発電所の発電設備をリニューアル中ということで、発電自体がストップ、または縮小されているようだ。
アースダムとしては、近くにあるかんがい用の「川西ダム(1980年完成)」の方がマニアの注目を集めているようだ。(決してダムマニアではありませんから!川西ダムの存在を後になって気づいた。また忘れものになった。)
他の信濃川発電所施設と共に、選奨土木遺産(2016年)。ただですねー、私のお勧めのアースダムは、別のところにあるので秘密にしておきます。いずれ紹介したいと思う。