この時期はサッカーがプレシーズンということで、どうしてもテニスの四大大会のひとつウィンブルドン選手権に目が行ってしまう。てか、夜中の放送が、この大会を放映しているので、そうしても。
優勝したのは、エレナ・リバキナ。カザフスタンの選手(実は今大会出場が認められなかったロシア出身)で、ウィンブルドンでグランドスラム初制覇。これまで四大大会では昨年の全仏でベスト8が最高。東京五輪で4位。184センチの長身。23歳。
とにかく長身から繰り出される高速サーブが持ち味。粘り、スピード、力強いストロークもあって、第一セットを失うも、逆転で優勝を飾った。はにかんだ様子のインタビューや控えめなところも初々しく、混迷する女子テニス界に、以前紹介したガウフやラドゥカヌ、世界ランク1位のシフィオンテクなどともに新風を巻き起こしそうだ。
といっても、私はずっと準優勝となったオンス・ジャバーに注目していた。リバキナはあまり眼中になかったこともあって、間違いなく優勝はジャバーだと思い込んでしまって、決勝戦も第一セットまでは「やっぱりな!」という感じで見ていた。
ジャバ―は27歳。世界ランキングは最新で5位(最高位2位)。グランドスラムはベスト8が最高成績。2年前から頭角を現して、WTAランキングをコツコツと上げてきて、得意の芝生のコートで今回初のグランドスラムを手にするところだった。
ただ、このタイトルはジャバー自身だけのものではなく、母国チュニジアやアフリカ大陸の悲願のタイトルだった。加えて、アラブ人として初めてのグランドスラム挑戦。ベスト8以降、初めて尽くしの快挙を成し遂げての決勝進出ということに注目してきた。これは偉業!
ジャバ―がはテクニシャン。左右の揺さぶりに鋭いクロスを打ち返したり、ドロップショットを織り交ぜたりしながら、粘り強く相手コートにボールを返す。リバキナの強力なサーブもしっかり返すことができていた。
決勝戦で敗れはしたが、今大会は輝いていた。決勝戦後のインタビューでは「多くの若い選手に良い刺激を与えたい、チュニジアの選手にもいい影響を与えたい」と締めくくり、また全米での活躍に注目していきたい。(またまた写真はWOWOWの画像を拝借。)