荒川と隅田川を東西に結ぶ小名木川も、先に紹介した小名木川クローバー橋まで来ると丁度中間点。次に目指すは荒川(旧中川)との合流点へは2キロメートルほどで、電動自転車なら楽に行ける場所でもあるのだが、返却時のことなども考えて地下鉄二乗車して移動することに。
都営新宿線の東大島駅で下車し、「大島小松川公園・風の広場」の小高い部分にまずは足を運ぶ。公園の中央には東京都の歴史的構造物に選定されている「旧小松川閘門」の後扉部分の上半分ほどが保存展示されている。(半分は埋まっている?)
荒川の付け替えにより生じた小名木川(旧中川)との最大3.1メートルの水位差を解消し、通船を可能にするためのもの。1939年(昭和5年)、荒川放水路竣工とともに完成。舟運が衰退したということから1976年(昭和51年)廃止された。
柵で囲われた中にある旧小松川閘門はコンクリート製で、傷みも激しく頭頂部には雑草が生い茂っている。ただそれが歴史的な建造物の風情を醸し出してもいて、立派に働いたいたとの証のようにも思える。
明治後期から大正ロマンへ、日本は積極的に建造物に西洋文化を取り入れてきているのだが、この閘門の容姿からすると西洋の城郭などをモチーフにしているのではないかと思われる。
小高くなっている公園からは、東に荒川、そしてこの閘門により結ばれていた旧中川、中川と合流する小名木川を西側に見ることができるのだが、江東デルタでもこのあたりが一番低い場所ということになる。
荒川河口にも近く、荒川のからの水の流入を防ぎ、東京湾の潮位の変動・高潮被害から守る施設として旧中川との合流部に設置されているのが小名木川排水機場。もちろん、旧中川やあ小名木川の水位が上がれば、72トン/秒で排水する。
その隣には、同じく国土交通省が設置する「荒川ロックゲート」がある。ロックゲート、つまり閘門。旧小松川閘門が廃止された後、2005年(平成17年)に完成。荒川の堤防が改修された時に改めて設置された。
ただ、旧小松川閘門が廃止されてから20年も空白があることが気になる。やはり、災害時の物資・資材の輸送を意識してとのこと。こちらは、閘門上部が開放されていて、閘室もバッチリ見える。門の開閉速度も国内最大級。やるね!さすが国土交通省!(すぐそばの荒川堤防には、緊急用船着き場もある。)