佐渡は歴史深い島である。歴史はどこの土地にもそれぞれに古くからあるのは当然として、佐渡は島国ということからも保存継承がされ、独特の進化をしてきたといってもいい。
今回紹介するのは、「あじさい寺」として親しまれ、観光客にも人気のパワースポット「蓮華峰寺(れんげぶじ)」である。佐渡南部の小比叡というところにある真言宗の寺で、806年に空海の開山という伝承を持つ由緒ある寺である。
7月に入って二週間という時期、「アジサイはもう終わったか?」と半ばあきらめ半分で出かけたが、少し色褪せてはいたものの、広々とした静かな境内で7000本のアジサイがしっかり出迎えてくれました。(写真上:参道のアジサイと仁王門。)
蓮華峰寺には数多くの文化財がある。国の指定文化財として、金堂、弘法堂、骨堂があるほか、境内にある小比叡神社の本殿と鳥居も指定されているほか、国の登録文化財が16(弘法堂につながる無明橋を含め、すべて建造物)、県の指定文化財が3(建造物1と彫刻2)ある。(写真上:金堂と、一方は奥に弘法堂で、手前に見えるのが無明橋。)
歴史深い土地(島)とはいえ、これだけのものを境内で一度に見れるのはそうそうない。現に佐渡市は、国の指定登録等文化財数では新潟市に次ぎ二番目。博物館保存や近世建造物が多い新潟市からすると、歴史深さでは間違いなく県内市町村内では随一といえる。
その中にあって蓮華峰寺は随一?(長谷寺に怒られる?彫刻(仏像等)関係は長谷寺が多い。国指定1、県指定6、国登録建造物15)特に骨堂に至っては、1348年の南北朝時代に建造された新潟県内では最古の建物だという。
(写真下:県内最古の建造物の骨堂と、拝殿・鳥居とも国指定文化財の小比叡神社。)
佐渡は流人(島流しにされた人)の島と言われているが、政治犯、思想犯が多く、鎌倉時代の順徳上皇や日蓮聖人、室町時代の世阿弥など、高貴な人や文化人が多い。また島国独特の外からの圧力もなかったなどが影響し、文化が守られ、継承されたのではないか?
戦国時代のように国同士の争いもなく、大きな騒動もない。いや、全くなかったわけではなく、現に1652年に巻き起こった「小比叡騒動(奉行所の役人同士の軋轢による蓮華峰寺での立てこもり事件)では、一部の建造物が焼失したものの、奇跡的に紹介した文化財は難を免れた。
これがパワースポットの由縁ともいえる。勝手な解釈も加わっているが、ぜひ一度、佐渡の文化に触れに蓮華峰寺を訪問いただきたい。観光客の皆さん!アジサイに気を取られてはダメよー!(写真下:仁王門で金堂を守る金剛力士像と境内の案内看板。)
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