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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

サム・ホーソーンの事件簿I

2022-11-17 20:23:24 | 読んだ本

エドワード・D・ホック/木村二郎訳 2000年 創元推理文庫
先々月ごろに買った古本の文庫、電車乗って古本まつりに出かけてったら、これ買ったとこに出店してたのはウチから徒歩圏内の地元の古本屋だったのに気づいて、笑ってしまった。
怪盗ニックものをいくつか読んで、おもしろいとは思ったがやや飽きてきた気もするので、同じ作者の別シリーズを読んでみることにしたわけで。
どうでもいいけど、「事件簿I」みたいなタイトルは、シロウトにはわかりやすくていいねえ、第一短篇集だろうと察しがつく、「童心」「知恵」「不信」とかだと順番が見た目ではわからないし。
原題「DIAGNOSIS: IMPOSSIBLE, The Problems of Dr. Sam Hawthorne」は1996年の刊行だが、収められてるのはシリーズ最初の12篇で、その初出は1974年から1978年だというから、けっこう古い。
なお、この文庫には、その12篇のほかに、シリーズに含まれない「長い墜落」ってボーナストラックも入ってる、いいねえ、そういうオマケは喜んで受け取りたい。
物語世界はもっと時代がさかのぼって、最初の事件は1922年のことだ、アメリカは禁酒法の時代だってことは作品のあちこちで出てくる。
主人公サム・ホーソーンは学校を出てから一年くらいの青年医師で、ニュー・イングランドの田舎のノースモントという小さな町で開業したところ。
サム先生は両親からもらった自動車に乗ってるけど、まわりのひとはけっこうまだ馬車を使ってる、そんな時代のそんな土地柄。
そこで不可能犯罪が起こるんだが、事件現場に立ち会うサム医師が観察と推理を鋭く解決していく。
そんな小さな町で怪奇事件が毎度毎度起こってはたまったもんぢゃないと思うんだが、まあ童話ってのはそういうもんです、ウルトラマンで毎回日本に怪獣が現れるのと一緒で。
短いお話のなかで、不思議な事件をあっという間に解決していく、読みなれてくると、ちょっとした小道具的なものの描写とか登場人物の言動とかに、あー、これって何かの伏線というか謎解きの鍵だなって、勘づくようにはなるんだが、そこで無理に自力で考えることはせずに、おー、そうきたかーって軽く驚かされながら読んでくのが楽しい。
有蓋橋の謎 The Problem of the Covered Bridge
水車小屋の謎 The Problem of the Old Gristmill
ロブスター小屋の謎 The Problem of the Lobster Shack
呪われた野外音楽堂の謎 The Problem of the Haunted Bandstand
乗務員車の謎 The Problem of the Locked Caboose
赤い校舎の謎 The Problem of the Little Red Schoolhouse
そびえ立つ尖塔の謎 The Problem of the Christmas Steeple
十六号独房の謎 The Problem of the Cell 16
古い田舎宿の謎 The Problem of the Country Inn
投票ブースの謎 The Problem of the Voting Booth
農産物祭りの謎 The Problem of the Country Fair
古い樫の木の謎 The Problem of the Old Oak Tree

長い墜落 The Long Way Down

コメント
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