まんが専門誌ぱふ 1983年7月号 雑草社
これは「特集 諸星大二郎の世界」のやつ買ったときに、近くにあったからついでに買った。
ちなみに、諸星大二郎特集号は発売当時の定価の2倍以上の高値したんだけど、この号は定価の6割にも満たない、まあ普通の古本の値段です。
もともと「ぱふ」って、私は読んだことないんだけど、名前だけは知ってたのは江口寿史のせいで。
『NANTOKA NARUDE SHO!』の「なんとかなるでショ!」第14話で、誌上募集企画で恋人募集したが応募ゼロだったというオタクっぽい設定の大学生キャラに対して、
>『ぱふ』とか『ニュータイプ』とかの文通希望コーナーにでも出してみたらどーでしょうかね
って江口がコメントするって一コマがあって、どんなんだろうなと思ったもんだ。
さて、この特集号が出たのは1983年ということで、江口先生は「ひばりくん」の連載をしていた時期。
インタビューによると、正確には「ひばりくん」の連載を休んでいた時期で、インタビュアーに「六ヵ月描いて、三ヵ月休むというペースが定着しつつありますね」なんて言われてる(笑)
対して先ちゃんは「これから描きためるんですよ」とか言ってる、なんかいつも言ってる気がする、「ネームはできてるんですよ」とか(笑)
「六月に『ひばりくん』の単行本三巻が出るから、それの直しをしてる」なんてことも言ってる、連載時には締め切りに追われて描ききれてなかった、バックに手を入れてる模様。
単行本出すとなると、「収録する作品に関してはテッテ的に手を入れ直すのです」と『江口寿史のお蔵出し』でも言っているとおり。
っつーわけで、この時点での作品リストをみても、「POCKY」までの13作品しかないんで、インタビューぐらいしか興味をもてる記事はないんだけど。
インタビューでは、
>――御自分のギャグに対しては、どう思っていますか?
>江口 過激で日常を壊すというのをやってみたい。常識を壊すという。日常的でありたいと思うから、一種のSFみたいな感じでやっていきたい。
とか、
>――これから描いてみたい作品の傾向などは?
>江口 ギャグ、ホントのナンセンスを描いていきたい。SFギャグ。ギャグにこだわっていきたい。
とかって受け答えがある、ほんと、描いてくださいよぉ。
※9月5日付記
インタビューでは
>「ひばりくん!」で、ファッションが今っぽいですが、資料などは?
>江口 資料は『MC Sister』。
なんてやりとりもあるが、そういう細かい情報出すとこ当時からおもしろいと思って見てたなあ。
特集ページのコンテンツは以下のとおり。
カラーイラスト
インタビュー・江口寿史 ギャグにこだわっていきたい
仕事場訪問
江口寿史の交遊録 大友克洋・いしかわじゅん・田村信・吉田まゆみ・高寺彰彦・赤星たみこ・河野哲郎
全作品グラフティ・作品リスト・単行本リスト
「すすめ!!パイレーツ」の世界
パイレーツ栄光の軌跡
パイレーツメンバー表
めいばめん集
「ひのまる劇場」の世界
キャラクター紹介
鈴木家の一日――文江ちゃんを中心に――
ひのまる主役交代劇(コマ数考察)
「ストップ!!ひばりくん!」の世界
CHARACTER'S GRAFFITY
ひばりアルバム
耕作くん苦悩の日々 ひばりくん幸福な日々
迷場面 迷セリフ
FASHION
江口寿史のキャラクター総点検
美女美少女ベストテン!!
美男美少年ベストテン!!
そこのあなた、これを見て大丈夫ですか?
白いワニ大集合!!
おもしろければ、それでいい。西村幸生
特集後記
宮本大人編 2016年10月 青土社
発売直後の時期に、たまたま書店で見かけて、ちょっと迷ったけど、買ってみた。
イラスト集みたいんだったらどうでもいいんだけど、マンガ作品を採りあげてるんで、ほしくなった。
去年から今年にかけて、江口寿史展みたいのをやってて、それが「KING OF POP」だったわけだが。
それとは別に、江口のマンガに関する展示をやってたのが、この本の元ネタ。
私は出無精につき、どっちも見てないが。
世間ウケするアート的作品がクローズアップされたのが「KING OF POP」だったんで、マンガのほうはその「Side B」だってことにしたらしい。
本書の編者はあとがきで「ほんとはこっちが「Side A」だからね!」って言ってる、わかってらっしゃる。
こういう体裁の本って、なんか小さい活字がギュウギュウに並んでて、けっこう読み進むのが大変ってイメージがあったんだけど。
本書は、図版(原画が!すごい、見たら感動した)がいっぱいで、思ったよりサクサクとページを繰っていくことができた。
(大部分のマンガは何度も読み返した知っているものだし。)
コンテンツは以下のとおり。個人的には第3章がかなり参考になったなー、私の知らない仕事もいっぱいあったのねってことで。
01 それは『ジャンプ』から始まった
02 ひばりくんと白いワニ
03 時代の気分を〈編集〉する
04 This is Rock!音楽と江口寿史
発売直後の時期に、たまたま書店で見かけて、ちょっと迷ったけど、買ってみた。
イラスト集みたいんだったらどうでもいいんだけど、マンガ作品を採りあげてるんで、ほしくなった。
去年から今年にかけて、江口寿史展みたいのをやってて、それが「KING OF POP」だったわけだが。
それとは別に、江口のマンガに関する展示をやってたのが、この本の元ネタ。
私は出無精につき、どっちも見てないが。
世間ウケするアート的作品がクローズアップされたのが「KING OF POP」だったんで、マンガのほうはその「Side B」だってことにしたらしい。
本書の編者はあとがきで「ほんとはこっちが「Side A」だからね!」って言ってる、わかってらっしゃる。
こういう体裁の本って、なんか小さい活字がギュウギュウに並んでて、けっこう読み進むのが大変ってイメージがあったんだけど。
本書は、図版(原画が!すごい、見たら感動した)がいっぱいで、思ったよりサクサクとページを繰っていくことができた。
(大部分のマンガは何度も読み返した知っているものだし。)
コンテンツは以下のとおり。個人的には第3章がかなり参考になったなー、私の知らない仕事もいっぱいあったのねってことで。
01 それは『ジャンプ』から始まった
02 ひばりくんと白いワニ
03 時代の気分を〈編集〉する
04 This is Rock!音楽と江口寿史
ユリイカ臨時増刊号 2016年1月 青土社
最近書店で見かけて手に取ったユリイカ増刊。
「描き下ろし新作あり!」なんて表紙にあるけど、そういうのはお約束なのであまり気にしない。
1月まで川崎でやってた江口寿史展というイベントとの関連もあって出版されたっぽいが、私はそれは見に行ってない。
イラストの展示みたいなことかと思って、そういうのには基本興味ないんだが、マンガの原画も出てたというので、それだったらちょっと見たかった気もする。
っていうか、過去作品よりも、やっぱ新しいマンガを描いてほしいんだな、展覧会には行かないが、新作出るんなら読むよ。
さて、本書に並ぶ江口に関する評のなかでは、「声と動作はいかに分割されうるか 江口寿史『すすめ!!パイレーツ』のリズム」という、一続きの音声と動作を複数のコマに分割する表現に関するものが、たいへん興味深かった、一読したところでは。
自分が感じてはいても、うまく言い表すことのできないでいたものを、こうやってかゆいところに手が届くかのようにまとめてくれているマンガ評論というのは、とってもありがたい。
江口自身が自作と音楽について語ってるインタビュー記事もあるんだけど、江口本人の発言のなかで今回いちばんオッと思わされたのは、ジャンプ編集者の対談に乱入(?)したときの、アシスタントはどうやって選んだのかという問いに対する答え。
>一晩仕事してみて、おれの聞こえる範囲でタメ息ついたやつはNG。待つことが多いんで、待てる人を(笑)。「ハア~」ってタメ息つかれると、すっごい辛いの。絵が上手くてもそんな気のまわらないやつはダメ。気分よくさせてくれるやつじゃないと。
ってとこ。わかるような。
主なコンテンツは以下のとおり。
ほかにイラストとかエッセイもいっぱい。
ちばてつやに“リアル”を学ぶ ちばてつや×江口寿史
七〇-八〇年代マンガと江口寿史の作家像 夏目房之介
集英社歴代編集者、江口寿史を語る 渡辺彰則+鈴木晴彦+堀江信彦
江口寿史と(複数の)マンガ史 三輪健太朗
声と動作はいかに分割されうるか 細馬宏通
江口寿史、音楽とマンガを語る 江口寿史インタビュー
ビッグE'sスクール・オブ・ポップ 楠見清+南信長
エグチ、その生真面目な輪郭線 暮沢剛巳
江口寿史とバンド・デシネ 原正人
江口寿史、『「エイジ」』の時代 石岡良治
中の人はいる、外の人もいる 中田健太郎
わたしたちのひばりくん 横井周子
〈かわいい〉の威力、〈あこがれ〉の伝播 堀あきこ
オトコノコと人妻とホモフォビア 永山薫
最近書店で見かけて手に取ったユリイカ増刊。
「描き下ろし新作あり!」なんて表紙にあるけど、そういうのはお約束なのであまり気にしない。
1月まで川崎でやってた江口寿史展というイベントとの関連もあって出版されたっぽいが、私はそれは見に行ってない。
イラストの展示みたいなことかと思って、そういうのには基本興味ないんだが、マンガの原画も出てたというので、それだったらちょっと見たかった気もする。
っていうか、過去作品よりも、やっぱ新しいマンガを描いてほしいんだな、展覧会には行かないが、新作出るんなら読むよ。
さて、本書に並ぶ江口に関する評のなかでは、「声と動作はいかに分割されうるか 江口寿史『すすめ!!パイレーツ』のリズム」という、一続きの音声と動作を複数のコマに分割する表現に関するものが、たいへん興味深かった、一読したところでは。
自分が感じてはいても、うまく言い表すことのできないでいたものを、こうやってかゆいところに手が届くかのようにまとめてくれているマンガ評論というのは、とってもありがたい。
江口自身が自作と音楽について語ってるインタビュー記事もあるんだけど、江口本人の発言のなかで今回いちばんオッと思わされたのは、ジャンプ編集者の対談に乱入(?)したときの、アシスタントはどうやって選んだのかという問いに対する答え。
>一晩仕事してみて、おれの聞こえる範囲でタメ息ついたやつはNG。待つことが多いんで、待てる人を(笑)。「ハア~」ってタメ息つかれると、すっごい辛いの。絵が上手くてもそんな気のまわらないやつはダメ。気分よくさせてくれるやつじゃないと。
ってとこ。わかるような。
主なコンテンツは以下のとおり。
ほかにイラストとかエッセイもいっぱい。
ちばてつやに“リアル”を学ぶ ちばてつや×江口寿史
七〇-八〇年代マンガと江口寿史の作家像 夏目房之介
集英社歴代編集者、江口寿史を語る 渡辺彰則+鈴木晴彦+堀江信彦
江口寿史と(複数の)マンガ史 三輪健太朗
声と動作はいかに分割されうるか 細馬宏通
江口寿史、音楽とマンガを語る 江口寿史インタビュー
ビッグE'sスクール・オブ・ポップ 楠見清+南信長
エグチ、その生真面目な輪郭線 暮沢剛巳
江口寿史とバンド・デシネ 原正人
江口寿史、『「エイジ」』の時代 石岡良治
中の人はいる、外の人もいる 中田健太郎
わたしたちのひばりくん 横井周子
〈かわいい〉の威力、〈あこがれ〉の伝播 堀あきこ
オトコノコと人妻とホモフォビア 永山薫
「AERA」2016年3月28日号・3月19日発売 朝日新聞出版
いや、おどろいた。駅構内の売店の雑誌のとこに、江口の顔が大きくあったもんだから。
江口だよな? 最近の有名人の顔はよく知らないから、似た誰か今話題のひとなのかとも思って、近づいてよく見たら、やっぱ江口寿史。
すわ!!江口、どこで新作発表だ? それともまさかの新雑誌でも創刊(コミックキュー再来)か?と思ったけど、よくよく見たらAERAだった。
表紙には「COLLABORATION!! 江口寿史×坂田栄一郎」とある。
AERAなんて、どっか理髪店とかの待合にでもおいてなきゃ、通常まず手にとることはないんだけど、即買い。
坂田栄一郎さんというひとは私はよく知らないんだけど、同じく表紙に「坂田栄一郎最後の表紙」とある。
表紙つくるひと? 知らなかった、写真家で、この雑誌の表紙の人物写真を、創刊以来27年間、撮ってきたひとだったって。
で、江口となにかコラボ作品が本編に載ってんのかと思ったら、江口の記事は「表紙の人」っていう当たり前の1ページだけだった。
構想を7年間あたためている作品に、今年こそ着手したい、なんて嬉しい談話があるけど、いや、それはあやしいぞ(笑)
あたため8年目に突入するか、着手したって第一話の後はとんと便りがない、って公算大(笑)
ほかの記事、今週号の特集らしい“子育てしながら働きやすい街”はどこか101自治体調査などなどは、私にはべつになんの興味もない。
江口の1頁のために週刊誌ひとつ買ってしまうなんて、むかしむかし江口の4ページ(それ今号あるかないかドキドキするとこからが焦点w)のためにアクション購読してたのと、行動パターンが同じだ、俺。
ただ坂本龍一の記事なんかはけっこうおもしろかったから、まあよかったけど。
いや、おどろいた。駅構内の売店の雑誌のとこに、江口の顔が大きくあったもんだから。
江口だよな? 最近の有名人の顔はよく知らないから、似た誰か今話題のひとなのかとも思って、近づいてよく見たら、やっぱ江口寿史。
すわ!!江口、どこで新作発表だ? それともまさかの新雑誌でも創刊(コミックキュー再来)か?と思ったけど、よくよく見たらAERAだった。
表紙には「COLLABORATION!! 江口寿史×坂田栄一郎」とある。
AERAなんて、どっか理髪店とかの待合にでもおいてなきゃ、通常まず手にとることはないんだけど、即買い。
坂田栄一郎さんというひとは私はよく知らないんだけど、同じく表紙に「坂田栄一郎最後の表紙」とある。
表紙つくるひと? 知らなかった、写真家で、この雑誌の表紙の人物写真を、創刊以来27年間、撮ってきたひとだったって。
で、江口となにかコラボ作品が本編に載ってんのかと思ったら、江口の記事は「表紙の人」っていう当たり前の1ページだけだった。
構想を7年間あたためている作品に、今年こそ着手したい、なんて嬉しい談話があるけど、いや、それはあやしいぞ(笑)
あたため8年目に突入するか、着手したって第一話の後はとんと便りがない、って公算大(笑)
ほかの記事、今週号の特集らしい“子育てしながら働きやすい街”はどこか101自治体調査などなどは、私にはべつになんの興味もない。
江口の1頁のために週刊誌ひとつ買ってしまうなんて、むかしむかし江口の4ページ(それ今号あるかないかドキドキするとこからが焦点w)のためにアクション購読してたのと、行動パターンが同じだ、俺。
ただ坂本龍一の記事なんかはけっこうおもしろかったから、まあよかったけど。
江口寿史 1990年 角川書店
江口寿史のものだけど、これは、マンガの単行本ではないな。
なんだといわれると困るけど。
これの前の「なんとかなるでショ!」の原作をうけて、ビデオとか作ったらしいんだが、そのメイキングなんかの部分がいちばん量多いな。
江口と相原コージと吉田戦車の対談、なんてスゴイ企画も入ってるけど。
コンテンツは以下のとおり。
□SPECIAL PRESENT
うしみつくんお面
マタギの三太・トーマス(兄)アイマスク
オリジナルカセットレーベル
オリジナルポストカード
□COLOR GRAPH
描き下しマンガ「イーぢゃないかっ!」
アニメコミックス「ジャミラおぢさん」
アニメコミックス「うしみつくん」
実写版カラーグラフ
□MAKING OF
マンガ版
実写版
アニメ版
□VARIETY
BIG3対談(江口・相原・吉田)
赤塚不二夫先生に聞け!
ハリソンタミーの江口番の条件
先ちゃんへ100の質問
合コンタイム
袋とじ企画「章のあるマンガ」
□YOSEGAKI
江口寿史の素
よせがき
吉田秋生 岩舘真理子 小椋冬美 高野文子 松井雪子 泉晴紀 紫苑 グリン西秋 たかみ澤よしろう あくつたかし ハニーチェリー哲郎 サエキけんぞう
※正月にブログなんていじるまいと思ってたんだが、あまりにヒマなんで、ひとつ書いてしまった。
本棚をチェックすると、これで私の持ってる江口寿史のものは、一応全部おわりである。
年の初めに何かが一段落完了というのも面白いと思って採りあげてみた。
江口寿史のものだけど、これは、マンガの単行本ではないな。
なんだといわれると困るけど。
これの前の「なんとかなるでショ!」の原作をうけて、ビデオとか作ったらしいんだが、そのメイキングなんかの部分がいちばん量多いな。
江口と相原コージと吉田戦車の対談、なんてスゴイ企画も入ってるけど。
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□SPECIAL PRESENT
うしみつくんお面
マタギの三太・トーマス(兄)アイマスク
オリジナルカセットレーベル
オリジナルポストカード
□COLOR GRAPH
描き下しマンガ「イーぢゃないかっ!」
アニメコミックス「ジャミラおぢさん」
アニメコミックス「うしみつくん」
実写版カラーグラフ
□MAKING OF
マンガ版
実写版
アニメ版
□VARIETY
BIG3対談(江口・相原・吉田)
赤塚不二夫先生に聞け!
ハリソンタミーの江口番の条件
先ちゃんへ100の質問
合コンタイム
袋とじ企画「章のあるマンガ」
□YOSEGAKI
江口寿史の素
よせがき
吉田秋生 岩舘真理子 小椋冬美 高野文子 松井雪子 泉晴紀 紫苑 グリン西秋 たかみ澤よしろう あくつたかし ハニーチェリー哲郎 サエキけんぞう
※正月にブログなんていじるまいと思ってたんだが、あまりにヒマなんで、ひとつ書いてしまった。
本棚をチェックすると、これで私の持ってる江口寿史のものは、一応全部おわりである。
年の初めに何かが一段落完了というのも面白いと思って採りあげてみた。