村上春樹 昭和57年 講談社文庫版
持ってるのは、昭和59年7月の8刷。でも読んだのは、昭和61年になってからぢゃないかな、というのが私の記憶なんだけど。
いわずと知れた、村上春樹のデビュー作。1979年発表、群像新人賞受賞作。
なんで一番古いのを、これまで採りあげてなかったかな、まあ最新刊の話題の直後に、デビュー作を並べとくってのも面白いかもと思ったので、今回ひっぱりだしてきた。
前回の『職業としての小説家』にも、デビュー作書いた当時のことは詳しく語られているけど、1978年春の神宮球場でヤクルトのヒルトン選手がツーベースを打ったときに、天啓にうたれたかのように、村上さんが「小説を書こう」と思い立ったというのは、これまで他のものでも書かれていたと思う、有名な話。
小説のなかみは、「僕」が語る、「1970年の8月8日にに始まり、(略)8月26日に終る」短い夏のあいだの話。
東京の大学から、おそらく阪神間のどっかと思われる町に帰省した「僕」は、当時21歳。
(読み返すまで、年齢とか、そういう細かいこと忘れてた。)
3年くらい前からの友人である「鼠」と、「ジェイズ・バー」でビールばっか飲んでる。
サラサラとページをめくりながら、小説というにはアッというまに読めてしまう。当時、日本の小説に、そういうの無かったような気がする。
つづく三部作の「ピンボール」や「羊をめぐる」に比べると、私はそれほどこれがおもしろいとは思わないんだけど。
でも、いろんなフレーズは長く記憶に残ってるし、影響を受けてるなとは思う。今回読み返してもそう思った。
なかに出てくる女の子に訊かれて「僕」が答える、
>「何故人は死ぬの?」
>「進化してるからさ。個体は進化のエネルギーに耐えることができないから世代交代する。(略)」
というところは、なぜかずっと記憶に残ってるフレーズ。
あと、主人公の「僕」が「鼠」に言う、
>みんな同じさ
というセリフとか、ラジオN・E・BのDJがリスナーの手紙を読んだ後に一瞬だけマジになって言う、
>僕は・君たちが・好きだ。
とかって箇所は、いまでも好きだっていうか、読むとこれ初めて読んだころのことを鮮明に思い出す。
※11月3日付記
なんか、これについて書いたら、もうこのブログを終わらせるときも近いような気がしてきた。
所有してる本で、書いてないで残されてるものも、かなり少ないしね。
持ってるのは、昭和59年7月の8刷。でも読んだのは、昭和61年になってからぢゃないかな、というのが私の記憶なんだけど。
いわずと知れた、村上春樹のデビュー作。1979年発表、群像新人賞受賞作。
なんで一番古いのを、これまで採りあげてなかったかな、まあ最新刊の話題の直後に、デビュー作を並べとくってのも面白いかもと思ったので、今回ひっぱりだしてきた。
前回の『職業としての小説家』にも、デビュー作書いた当時のことは詳しく語られているけど、1978年春の神宮球場でヤクルトのヒルトン選手がツーベースを打ったときに、天啓にうたれたかのように、村上さんが「小説を書こう」と思い立ったというのは、これまで他のものでも書かれていたと思う、有名な話。
小説のなかみは、「僕」が語る、「1970年の8月8日にに始まり、(略)8月26日に終る」短い夏のあいだの話。
東京の大学から、おそらく阪神間のどっかと思われる町に帰省した「僕」は、当時21歳。
(読み返すまで、年齢とか、そういう細かいこと忘れてた。)
3年くらい前からの友人である「鼠」と、「ジェイズ・バー」でビールばっか飲んでる。
サラサラとページをめくりながら、小説というにはアッというまに読めてしまう。当時、日本の小説に、そういうの無かったような気がする。
つづく三部作の「ピンボール」や「羊をめぐる」に比べると、私はそれほどこれがおもしろいとは思わないんだけど。
でも、いろんなフレーズは長く記憶に残ってるし、影響を受けてるなとは思う。今回読み返してもそう思った。
なかに出てくる女の子に訊かれて「僕」が答える、
>「何故人は死ぬの?」
>「進化してるからさ。個体は進化のエネルギーに耐えることができないから世代交代する。(略)」
というところは、なぜかずっと記憶に残ってるフレーズ。
あと、主人公の「僕」が「鼠」に言う、
>みんな同じさ
というセリフとか、ラジオN・E・BのDJがリスナーの手紙を読んだ後に一瞬だけマジになって言う、
>僕は・君たちが・好きだ。
とかって箇所は、いまでも好きだっていうか、読むとこれ初めて読んだころのことを鮮明に思い出す。
※11月3日付記
なんか、これについて書いたら、もうこのブログを終わらせるときも近いような気がしてきた。
所有してる本で、書いてないで残されてるものも、かなり少ないしね。