柞刈湯葉 平成28年 カドカワBOOKS
たしか5月の連休のおわりに、書店で見かけて、つい買ったやつ、最近になってやっと読んだ。
表紙向けて並べてあったの見て、タイトルと、ごちゃごちゃしたカバーの画が気に入って、なんだこりゃと笑いそうになった。
帯に「緊急重版」とか書いてあるわりには、私の買ったのは初版だった、どういうこと、そういう宣伝のしかたあり? ま、いいけど。
横浜駅ったら、通りがかるたびに、あてもないようなというか果てしないというか工事が延々と続けられているんで、そういうネタかと思ったんだけど。
予想よりもデカいスケールで、膨張をつづける横浜駅によって本州全土が覆われてしまっている世界。
どうも勝手に自己増殖をしてて、構造遺伝界ってのがその仕組みらしいんだけど、そういう理屈は考えてもしかたないので、はあ、そうですかと受け入れて読むしかない。
とにかく、どんどん構内通路が延びてって、エスカレーターとかも自然に生えてくる。横浜駅が積もり積もったせいで、富士山の高さなんか四千メートルを超えてる。
ただ海が渡れないそうなので、北海道と九州には広がっていない。なんとか海峡を突破しようとしてくる横浜駅を、JR北日本とJR福岡が迎撃して阻止してる。
四国はどっかの大橋を伝って横浜駅が延びてきちゃったので、無政府状態。
そもそも日本政府なんて消滅しちゃってる。
最終戦争らしきものが200年以上前に終わってて、化石燃料はない、どっからともなく電気は作られているけど。
横浜駅の内側であるエキナカでは、自動改札というロボットらしきものが見張ってて、ルール違反を犯した人間は駅の外へ放り出される。
駅の外で生きていくのはなかなか厳しい、駅のなかでは何かと必要なものは駅が勝手に生成してくれるようなんだけど。
で、一応の物語は、駅の外の三浦半島のどっかあたりと思われるところで育った少年が、横浜駅に反逆する組織の男から譲り受けたキップで駅のなかへ入り、目的地目指す冒険譚ということになる。
「42番出口」を目指せっていうんだけど、これ、42って、なんかのSFのオマージュだよねと思った。
読んだことないけど、何か宇宙の究極の質問の答えが見つかって、コンピュータがはじきだしたのが「42」っていう話があるんぢゃなかったっけ。
そうそう、JR統合知性体って鉄道ネットワークをベースにした巨大人工知能から、このお話のいろいろが始まってるらしいが、人工知能には興味があるね、最近。
あと、各章のタイトルもそうだけど、いろんなSFの元ネタをぶちこんでオモチャ箱化することで遊んでるとこがあるような気がする。
ある登場人物が、脚のないヒューマノイドに出くわす場面があるんだけど、そこで「なんで脚がないんだ。そういう設計なのか? 偉い人が文句言わなかったのか」っていうセリフが出てくるんだが、それってガンダムからだよね。
章立ては以下のとおり。
1.時計じかけのスイカ
2.構内二万営業キロ
3.アンドロイドは電化路線の夢を見るか?
4.あるいは駅でいっぱいの海
5.増築主の掟
6.改札器官
エピローグ
たしか5月の連休のおわりに、書店で見かけて、つい買ったやつ、最近になってやっと読んだ。
表紙向けて並べてあったの見て、タイトルと、ごちゃごちゃしたカバーの画が気に入って、なんだこりゃと笑いそうになった。
帯に「緊急重版」とか書いてあるわりには、私の買ったのは初版だった、どういうこと、そういう宣伝のしかたあり? ま、いいけど。
横浜駅ったら、通りがかるたびに、あてもないようなというか果てしないというか工事が延々と続けられているんで、そういうネタかと思ったんだけど。
予想よりもデカいスケールで、膨張をつづける横浜駅によって本州全土が覆われてしまっている世界。
どうも勝手に自己増殖をしてて、構造遺伝界ってのがその仕組みらしいんだけど、そういう理屈は考えてもしかたないので、はあ、そうですかと受け入れて読むしかない。
とにかく、どんどん構内通路が延びてって、エスカレーターとかも自然に生えてくる。横浜駅が積もり積もったせいで、富士山の高さなんか四千メートルを超えてる。
ただ海が渡れないそうなので、北海道と九州には広がっていない。なんとか海峡を突破しようとしてくる横浜駅を、JR北日本とJR福岡が迎撃して阻止してる。
四国はどっかの大橋を伝って横浜駅が延びてきちゃったので、無政府状態。
そもそも日本政府なんて消滅しちゃってる。
最終戦争らしきものが200年以上前に終わってて、化石燃料はない、どっからともなく電気は作られているけど。
横浜駅の内側であるエキナカでは、自動改札というロボットらしきものが見張ってて、ルール違反を犯した人間は駅の外へ放り出される。
駅の外で生きていくのはなかなか厳しい、駅のなかでは何かと必要なものは駅が勝手に生成してくれるようなんだけど。
で、一応の物語は、駅の外の三浦半島のどっかあたりと思われるところで育った少年が、横浜駅に反逆する組織の男から譲り受けたキップで駅のなかへ入り、目的地目指す冒険譚ということになる。
「42番出口」を目指せっていうんだけど、これ、42って、なんかのSFのオマージュだよねと思った。
読んだことないけど、何か宇宙の究極の質問の答えが見つかって、コンピュータがはじきだしたのが「42」っていう話があるんぢゃなかったっけ。
そうそう、JR統合知性体って鉄道ネットワークをベースにした巨大人工知能から、このお話のいろいろが始まってるらしいが、人工知能には興味があるね、最近。
あと、各章のタイトルもそうだけど、いろんなSFの元ネタをぶちこんでオモチャ箱化することで遊んでるとこがあるような気がする。
ある登場人物が、脚のないヒューマノイドに出くわす場面があるんだけど、そこで「なんで脚がないんだ。そういう設計なのか? 偉い人が文句言わなかったのか」っていうセリフが出てくるんだが、それってガンダムからだよね。
章立ては以下のとおり。
1.時計じかけのスイカ
2.構内二万営業キロ
3.アンドロイドは電化路線の夢を見るか?
4.あるいは駅でいっぱいの海
5.増築主の掟
6.改札器官
エピローグ