きのう諸般の事情(私の事情ぢゃない)により、乗馬は休み。
で、きょうは予定どおり、乗りに行く。ちょっと迷ったけど、さすがに半袖一枚はやめた。(乗ってるときはいいけど、手入れしてるときとか寒い。)だけどTシャツ1枚余計に着てるってだけで、袖は肘より上まで捲ってくんだな、これが。
本日乗る馬は、ホワイトウォーリアー。二度目だ、私が乗るの。
カワイイよ、カワイイよ、ベルギー産乗馬。
きのう休みだったんだろうけど、馬房の前で声かけたら、初めて縁日に連れてってやるって言われた子どものような、好奇心に満ちた目をして、顔を出してきた。(比べると、総じてサラブレッドは、態度が冷たい。)
それでいて、無口(頭絡)をかけようとすると、初めて宗主国の盟主に謁見して勲章を受ける王子のように、凛として礼儀正しく待っている。
それはいいとして、ひさしぶりに乗ろうとすると気づくんだが、白い馬(いま芦毛は1頭しかいない)がたいへんなのは、汚れてると目立つことである。
きょうのホワイトウォーリアーも、馬房から出してみたら、背中から左の肋にかけて茶色く汚れてる、あーあ。
タオルぬらしてきてゴシゴシこすると、くすぐったいのかコツコツ前がきする。俺だって手間ぁかかるのはヤだよ。鞍おいちゃえば見えないとこってのは確かだけど、そーゆーわけにもいかんだろ。
汚れが目立たないくらいになったかなーと思って、ほかの場所も見てみると、飛節とかやっぱ汚れてんだ、やれやれ。
んなことやりながら馬装して、さて広いほうの馬場へいく。
でっかい馬なんで、脚で馬体をつかみきれない感じ。深く座ること放棄して、軽速歩とりやすいようにと、アブミ一穴短くしちゃう。
常歩で、ハミ受けを目指す。なんかうまくいかない、前に出てないのに受けるも受けないもない。
軽速歩を始める。
いつも、さっさと馬場の一角に場所決めたら、そこ陣取って輪乗りでやるんだけど、きょうは、めずらしく広いとこいっぱいに最初はまわってみる、手綱ぶらぶらでね。
常歩でまわってると、馬場のそとにある車とかを、ギョッと睨むようなこともすんだけど、ホワイトウォーリアー、速歩以上ではそんなことしない。
ちっとも動いてこないけど、ウォーミングアップはいいことにして、こっからは、やっぱ輪乗りで軽速歩、詰めたり伸ばしたり。
そりゃあ脚とか拳とか使えば、多少はスピードは上下するけど、ちっとも伸びたり詰めたりになってないなあ。
オリアンダーなんかと一緒、うけてんぢゃなくてモタレてるだけって感じ、この手綱の重さは。
こりゃあ、一丁景気づけに、サッサと駈歩やったほうが早いなあ、という安直な結論にはすぐ到達する。
それはそうと、こういうでっかい馬乗ると、すぐカカトが上がっちゃうのが露見する。
根本的に脚の使い方がまちがってて、ヒザを曲げてカカトを尻に近づける方向へ力を入れてるからである。ふくらはぎで馬の体を絞るように(歯磨き粉や辛子のチューブを絞りだすように?)方向を修正。すぐ忘れて戻るけど。
そしたら、アブミが脱げないようにさらに一穴短くしといてから、駈歩やっか。
速歩を詰めといてなるべくスムーズな発進を目指す。
ふつうのペースでしばらく回ったら、さてさて、詰めたり伸ばしたり。
反応がいいよ。伸ばすと、馬の動きがダイナミックなんで、このまま走られたら止める自信ないなあなんて弱気になる。
もちろん、利口な馬なんで爆走するわけもなく、詰められるけど。詰めたらなるべく早く腕の力を抜くようにする。
どっちかっていうと、右手前のときのほうが、馬のクビが内に向かないかな。それでいて馬体は垂直よりやや内に傾いてる気がする。
外のアブミをしっかり踏もうと思う。そういうことしようとすると、脚に力入って前に突っ張るようになる、逆だ逆、引かなきゃ。
伸ばそうとしたときかな、何度か、後ろに座りすぎたせいか、軽くポンとはねるような動きがあった。
「ジャマ!」って馬の背中が言ってる、本気でやられたら放り出されちゃうので、「重心の一致、重心の一致」って、おまじない唱えながら乗る。
広いほうへ出て行って、半周くらいっつ、伸ばしたり詰めたりする。
そこそこのメリハリはあると思うんだけど、ほんとは、もーっと出さなきゃな、とは思う。4メートル幅の駈歩には達していないだろう。
何度かやって、しばし休憩、常歩。
休憩のはずなのに、アブミはずした瞬間に、馬がわずかにクッと反応して前に出たような気がした。
たぶん騎座で圧してるんぢゃないかと。駈歩してる最中には、意識してたのに、できなかったことなんだが。
かなり人間はくたびれちゃって、これで終わりにしてもいいかなと、ちょっと考えがアタマよぎったんだけど、せっかく馬やる気になってきたはずなので、ここでやめる手はない。
んぢゃ、また速歩。横木が5本おいてあるんで、通過してみる。うん、前に出る気が感じられる。
何度かやったら、軽速歩で馬場を広くまわってみて、さっきみたいに四角の一辺ずつ伸ばしたり詰めたりしてみる。
不思議と、いままで速歩の詰め伸ばしって、輪乗りのなかでしかやったことなかったんで、ラチぞいの直線上を馬がスッスと速歩してくのは、意外と新鮮な感じ。
中間速歩までいってないと思うが、けっこう動いてはいる。少なくとも、この反撞のきびしい馬で、私がアブミあげたら座ってられないだろうな、と思うくらい。
軟弱なので、アブミあげはしないで、また輪乗り。こんどは速歩を一周するたび、どこかで常歩を混ぜてみる。ちょっと常歩したら、またすぐ速歩発進。
速歩と常歩のギヤチェンジを、私としては、元首の棺を載せて国葬に向かう霊柩車のように、スーッと動かしたいんだけど、現実には、プラットフォームに入った電車を停車位置修正するのにバックさせるときのような、ギクシャクした動きになっちゃう。
それでも、馬がよく付き合ってくれることを確かめたら、今度はまた輪乗りの駈歩で、一周ごとに詰めたり伸ばしたり。
ラチに接するところから、一周の歩数を数えてみる。伸ばしたつもりのときで21歩かな、詰めたつもりのときで25,6歩。
詰めるほうは頑張ればもう一歩くらい入れられそうだけど、伸ばしたとき、もう一歩少なく20歩で回ってやろうと、元気よくやってみたんだけど、できなかった。
感触としては、まだまだストライド伸びるはずなんだけど。鞍上が己に厳しくなくて、あとわずかのところで(ビビッて?)安全運転に徹しているためと思われる。
んなことやって、適当なとこで終了。
乗ったの二度目だけど。あいかわらず、この馬のポテンシャルは、底が見えない。
べつに高い障害飛ぶようなまねをしてまで、無理に見たくもないけど。
それよりも、ウィスパーIIが抜けちゃったんで、代わりに、公道を散歩するとか、そういうほうにいってほしいよね。
(常歩のとき馬場の周りのモノ見るようにするのが、ちょっと不安ではあるけど。)
汚れてんのヤダヤダとか乗る前には言ってたけど、どーせ洗うんだからって、乗ったあとは砂浴びさせてやる。
洗ったあとは、気温が上がってこないせいか、意外と乾きが遅いんだけど、リンゴなんかやったりして、ごまかしたりしてるうちに、どうにかなる。
さて、今日はホワイトウォーリアーを馬房に入れてやったあと、ミニチュアポニーのジョニーを、ちょっとイジった。
ポニーを調馬索でまわすのは、札幌んときは昼過ぎの私の仕事だったんだけど、美浦に来てからは全然やってない。ってことは、4年ぶりか。
調馬索と長い追いムチもって、馬場に出たはいいけど、どうやんだっけ?
コツは、たしか後ろから追うことである。丸く回すんだけど、人間が馬の後ろに位置しないといけない。
でも、ときどきジョニーも停まって、私の顔見て正対するよ。人間が馬の前に立ってしまうと、それはもう「とまれ」と言ってんのと同じである。
「なんで俺がこんなことしなきゃいけないんだよぉ」って抗議の視線を送るジョニーに対して、「ほら、たまには運動したっていいだろが」とか、チッチ・チッチ言いながら、また動かす。
ジョニーは明らかにやる気ない。けど、きれいな丸になんないなあと思いながら、左右の手前を替えながら、すこし駈歩でるまで、とりあえずやることはやる。
そしたら、横木のあるとこにいって、一本引っ張り出してきて、輪乗りのなかで跨がせる。
一回目こそ逃げられたけど、ジョニーはもともと障害飛べるので、ちゃんと連れてけば、ポンとまたぐ。
何回かやったら、ブロックもってきて、一番低い形の上に乗っけて、垂直障害つくる。たぶん20センチくらい。
最近ジョニーが障害やってんの見たことないから、だいじょぶかいなと思ったんだけど、けっこう勢いよく向かってって、飛ぶ。
(障害飛べるポニーは、飛ぶ楽しさを知ってるんで、追わなくても向かってくときがある。)
左右2回っつやったら、こんどは私が調馬索を短くもって、引いて飛ぶ。両方向から2回っつ。
飛ぶわ、ジョニー。これなら問題ない。
来週から、週にいちどくらい、これ続けようっと。(それとも、毎日昼休みに特訓しようかな?)
脚洗って、ブラシかけて、ごほうびのリンゴをやろうとしたら、うしろでミニコマが黙ってなかった。
(「おまえ動いてないじゃんかよ」とかなんと言いつつ、哀願する視線には勝てず、おすそわけしてしまう。)
どーでもいーけど、横木を持ち上げたとき、意外と重たくて、先々週ネンザ(たぶんネンザ)した右手首が、またおかしくなっちゃった。
いまキーボード打ってても、ふつうなら平気なんだけど、バックスペースキーとかあらぬ方向へ手を伸ばすと痛い。