many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

自動起床装置

2014-07-30 21:29:06 | 読んだ本
辺見庸 1991年 文藝春秋
いちど読んでそれっきりの、当時の現代日本文学シリーズ(?)の第何弾かだ。
収録作は「自動起床装置」と「迷い旅」のふたつの単行本。
「自動起床装置」は、学生がバイトで、通信社の宿泊センターの「起こし屋」をやってる話。
24時間体制の通信社だけど、社員は交代で仮眠をとっていて、それぞれの指定した希望起床時刻になると、バイトが起こしにいく。
寝てても人間のとるさまは多種多様なんだけど、実はいちばん面白い人物はバイトの相棒の学生で、樹木について詳しくて、眠りと目覚めについて一過言もってる。
そんなところへ、新たに開発された、自動起床装置なるものの試験運用という話がもちあがる。
もうひとつの「迷い旅」は、取材のために、ヘン・サムリン軍とポル・ポト軍の激戦地であるカンボジアのパイリンに向けて陸路を進んでく話。
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伯爵夫人のジルバ

2014-07-29 18:24:07 | 読んだ本
ウォーレン・マーフィー/田村義進訳 昭和61年 ハヤカワ・ミステリ文庫
ひさしぶりに読み返した、トレース・シリーズの第2作。原題は「AND 47 MILES ROPE」
もう何冊か持ってるんだけど、なんで当時これ読んだのか忘れた。たぶんスペンサー・シリーズにはまりかけてたころだから、なんか似たようなものないか探ってたのではないかと。
主人公は保険調査員のデヴリン・トレーシー。でも、トレースって呼ばれてかまわないところがスペンサーシリーズとは違うね、スペンサーはスペンスと呼ばれるのを非常に嫌うし。
で、事件はラスベガス郊外の伯爵夫人の豪邸で、執事が殺されて宝石が盗まれたんだが、トレースの仕事は盗難のほうぢゃなくて殺人・生命保険のほう。
それはいいんだけど、登場人物たちがよくまあしゃべる。
主人公のガールフレンドのチコだけぢゃなくて、元巡査部長の父親や、スロットマシンで損してばかりの母親まで出てくるが、みんなよくしゃべる。
1ページまるまるセリフのかけあいで進んでいくなんて場面はしょっちゅう。これが独自のスピード感があって、慣れが必要な感じ。
で、なかでも一番いい加減なことペラペラしゃべるのは、もちろん主人公のトレース。
保険会社の副社長に調査の進捗状況を訊かれたときに、「先は見えた」って答えるんだが、なにをいうかと思えば、
>これは儀式殺人だ。証拠はそろっている。手につけていた手袋。鈍器による頭蓋骨の殴打。倒された木。居間の床に散らばっていた土。さらには、失われた宝石と灰皿。すべてが上エジプトのサヴィタクギ暗殺団のしわざであることを示している。(略)インドのサッグ団以来、もっとも凶悪な殺人集団として知られている。(略)
ぜんぶデタラメである。
でも、ときどき地の文でも「マークスはネズミを尻っぽから飲みこんだような顔をしていた。」なんて面白い表現がある。どんな顔だ。
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2週ぶりの乗馬は、初めての馬

2014-07-28 19:15:40 | 馬が好き
いろいろあるんだが、乗馬にいく。
いやー、ホント誰かに、遊んでる場合か休みなんか返上しろ、とか言われたら、ぐうの音も出ないとこなんだけどね。グウ。
こういうとき開き直るようになったのは3年前くらいからかな。
仕事があればあるほど、その隙を縫って遊びたくなるのは、私の性分。そうしないとバランスがとれないってこと、だいぶ自覚するようになった。

っつーわけで、暑そうだけど出かけてくと、きょうの馬はフリーデンアミーゴ。初めて(喜)。
(ほーら、来てみるもんだ、いいこともあるぢゃない。)
でも、どんな馬か知らない、ほかのひとが乗ってるとこも、注意して見たことない。
馬房から出そうとしたら、「ちょっと待て。水飲んでから行く」とばかりに、しばし給水。

すごいなー、これから練習ってことがわかってて、あらかじめ水飲んでんのかなー、という気がする。
出してみると、とにかく背が高いなという印象。でかいというより脚が長いというように見える。
ブラシかけたりして、馬装して、またがって馬場へ向かうが、まあおとなしくて何も問題なさそうだ。

いつものようにウォーミングアップ。
常歩でせっせと歩いてもらって、ジワッと拳つかうと素直にこっちくる感じがする。
ちょっと迷ったけど、よくわかんないし、部班に入る。
7頭の先頭、まあしかたないけど、知らないよぉ、先頭にさせられても、後ろにおかまいなしというか、余裕のない乗りかたするかもよ。
速歩スタート。まあ、ふつうだ。特にオオッというような感じでもない。
(背ぇ高い馬に乗ると、自然と、反撞大きくないか警戒してしまう。)
「最初は、きっちり隅角曲がろうとしなくていい。ゆるくていいので、馬のリズムをくずさないように。」
はい。どの馬でもそうだけど、最初にわりと隅角を奥まで押し込むのは私のよくやることなんだよね。だって、内に入って回られると、馬になめられそうな気がするから。
一旦、常歩。そのあいだに個別注意。
「この馬は、サラブレッドみたいにトントン速くなったりしない、大きな動きをする馬なので、そうやって動かしていくように。脚を使い続けてはいけない、動いたらそれに乗っていく。ただし動かしていくと、馬が前にもたれるようなところがあるかもしれないので、たまに詰めて起こして、馬が自分でバランスを保つようにする。前に出す、つめる、力をいれず何もしないの繰り返し、それで動かしつづけて。」
はーい。って、それは難しいぞ(笑) 言われて私なんかにそれができたら苦労はしない。
まあ、とにかく部班は再スタート。
「動いてるのに脚つかわない!」 はい。ついつい、軽速歩で一歩ごとにトントンと脚というかカカトで軽打しちゃうんだよね。 「ヒザを開かない。何もしないときは、爪先を前に向けて!」 はい。
歩度を伸ばせ、思いっきり伸ばせ、いちど馬の目を覚まさせよう、ってことでガンガンやってみると、けっこう動くよ。いい馬だ。
ほんとは、もっとストライドを広げたいんだけどね。後肢踏み込んで、滞空時間の長いような歩様にしたいんだけどね。そうはうまくいかんわな。
長蹄跡で歩度伸ばす、長蹄跡向いたら一歩目から伸ばす。短蹄跡で歩度詰める、隅角の前から詰める。
そしたら、輪乗りで速歩。軽速歩で歩度を伸ばす。こんど詰めたら正反撞。
正反撞のときも、軽速歩のときと同じように、力を入れずに乗っていけって。
べたっと座らない、前かがみにならない、骨盤を垂直に。よくわからないので、とりあえず、おへそを前に。
私は、よく肩が前に丸まってると言われるので、胸を開いてくように意識する。
それから、手を前に出す。前でうけとめて、馬がゆずったらかえす、そんな感じ。手綱を手前にもってきちゃうと、下に押しつけたり、馬と引っ張りあいをしちゃいがち。

んぢゃ、駈歩。常歩から発進。
駈歩でたら、動かす。ついつい強いコンタクトが欲しくて引っ張っちゃうのが私の悪癖なので、ラクにしてとにかく脚つかって前に出す。
ちょっと心もとないので、内側の脚をドカンドカンと使う、上体をゆすってはいけない。すこし駈歩らしくなる。
なんかよく感じがつかめないので、勝手に伸ばしたり詰めたりする。隊列の後ろのことは気にしない。
いちど速歩、駈歩直後の速歩は勢いがいい、これに無理なく乗っていくのがひとつの課題。それと速歩の一歩目から馬をコントロール下におかないと。
左右の駈歩をまあまあ普通にできたとこで、おしまい。ほかの馬は人が乗り替わって、二班目の運動にはいるが、私は外に出て、もう10分くらい適当にやってと言われたので、広いとこで、ただし障害練習してるひとにぶつからないように、各個で乗る。
速歩をすこししたあと、駈歩をやってみる。長い直線で、伸ばしてみると、おお、おお、けっこうダイナミックな動きだ。もしかして、これが本来の動きだったのかな。
ちょっと座ってられないようなとこあるんだけど、たまに鞍の後橋つかんだりして、駈歩を楽しむ。
伸ばしたり詰めたりして、最後は詰めてもおとなしく収まってるのを確認して、おしまい。

よっくホメる。私にはまだ真価がわかってないとしか思えないけど、今日のところは楽しかった。
手入れしてるときも、おとなしい。
リンゴやったら、おとなしく喜んで(バタバタ騒いだりしないの意)食べた。

どーでもいーけど、ここんとこね、クビとか肩とか背中とか、張ってる感じして苦しいんだけど、馬に乗ってるときは何も感じない。
ふだんが姿勢わるくて、馬の上にいるとシャンとするからなのかな?
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ゴングまであと30秒

2014-07-24 22:29:25 | 読んだ本
高橋秀実 2013年 草思社文庫版
(著者名はホントは「」の字なんだけど、環境依存文字なので、「高」つかってます。)
著者の書いたものは「からくり民主主義」ひとつしか読んだことなかったんだけど、たいそう面白かったので、この文庫を書店で見かけたとき、ふらふらと買った。
ノンフィクションだそうで。
え?ノンフィクションって、事実にもとづくってことでしょ、おもしろすぎるぞ、これ。
川崎市高津区にあるボクシングジムで、トレーナーをしてたときに見聞きした話から構成されてる。
しかし、妙なボクサーばかりだ、ふつうにもってるボクシングのフィクションの印象からは程遠い内容。
まあ、出てくるプロといっても、みんな四回戦ボーイだし、大工とか貯水槽清掃人とか郵便配達とか、生活のための職業はほかにあるし。
プロテストまでいかない練習生たちは、もっとボクシングに対しての厳しさのようなものが欠けてるし。
拳の握りが弱くて、芯のないパンチは「ヤカンのよう」だと言われたり、「しだれ柳に触れたよう」だと言われたり、手首が弱くてヒットしないパンチは「粘土のように当たるとぐにゃりと曲がる」と言われたり、とにかく弱そうなひとばっかり。
防御にまわって相手のパンチをもらったときだって、とにかく腰が引けてるから、そのさまは、「一発でもパンチをもらうと呉服屋の若旦那のように両手を前に差し出して腰をさらに深く引く」とか、「一見気弱そうに見えてお本当に気弱である」とか、遠慮なく弱弱しく描かれてる。
そんな会員ばかりだから、「私の見たかぎり、ボクシングを志す若者はほとんどが運動音痴である」なんて断言しちゃってるんだけど、ジムに通うのをやめられちゃっても困るんで、なだめたりすかしたりするし、新しい入会希望者はおだてたりする。
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僕だけがいない街

2014-07-23 20:53:03 | マンガ
三部けい 1巻は2013年 角川書店 角川コミックス・エース
前回から、最近読んだマンガつながり。
これも、たまたま書店の店頭で手にとって、チャレンジしてみる気になっただけのことなんだけど。
これは、おもしろい。
最初の印象は、あんまり好きなタイプの画ではないな、ぐらいだけだったんだけど。
っていうか、ほとんど全部のコマが、タチキリっていうのか外の枠線ないって、どんな描きかただ、大変だろうな、くらいのパッと見だったんだけど。
読んでくうちに、おもしろさに引き込まれてった。
止まらずに1冊読み終えて、さあ、これは2巻を買ってこなきゃ、って思わされた。
いったい、どーなるんだ!? これはマンガに対するホメ言葉であって、これ以上のホメようは実は無い。
で、とりあえず、きょう2巻買ってきた。
でも、すぐ開けて読まないとこが、あいかわらず私は怠惰だけれど。
書店には4巻までおいてあったようだけど、買うと安心しちゃうようなとこあるんで、わざと2巻だけにした。
っていうか、はやく完結してくんねーかな(←そればっか?)、そしたら、そこを一気に読むのが快感なんだけどな、とは思ってはいる。
(連載してる月刊誌の「ヤングエース」ってのは、読んだことない。)
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