ということで、今回は、振り返るにもあまりにバカバカしいので、表題だけで終わりにしようと思ったんだが。
だから、以下は、例によっての長い前置きみたいなものだけど、結論はタイトルのとおりなので、忙しいひとは読まなくてもけっこう。
夏休みは(火曜日を除く)毎日乗馬練習をしている少年団のみなさんのためにも、8月の終わりには、特訓の成果を発表する、競技会をしようってことになり、それは大賛成だったんだけど、どーせだからゲスト扱いで出場しませんか、って話がきたのは、もう数週間も前のことだったかな。
「出ないよ」って私、即答である。
出たくない理由は、あいかわらずだけど、基本的に競技に興味ないってのが、ひとつ。
でも、そう言いつつも、去年の暮れもそうだったんだけど、子どもたちと一緒に試合すんのは楽しいので、少年団大会だったら混ざりたいな、とは正直なとこ、思った。
でも、もうひとつの理由は、「練習してない、練習に行ってないから」ってのがある。
子どもたちと一緒に、毎日でも、週イチでも、練習に入ってたら、胸張って参加するんだけど、サボりまくりだからなあ、気まずい。
それに、何年か前のこと、四ヶ月のあいだ馬にさわらずにいて、三回練習しただけで、クロス障害に出たことも、事実あるけど、当時と今とでは私の意識が違う。自分の納得のいかない状態で、競技を(内輪だろうが何だろうが、どんなレベルであろうと)する気にはなれない。
ところが、そんな私の言いぶんは気にもせず、「勝手に割り振っときましたから」って大会のエントリー予定が持ってこられたのは、先々週、15,6日ころだったか。
見たら、最難関であるメーター級障害のとこに、私の名前があって、パートナーである馬はホセカレーラスだと。
瞬時に、私のなかでは、私=100センチって器ぢゃない、ホセ=(競技の)100センチは飛ばんだろ、って計算した。
ホセカレーラスは、優秀な馬なんで、練習のなかで、飛ばせば、障害だって、ある程度は飛ぶけど、100センチの試合に使うって感じはしない。…悪いんだけど、自分のこと棚にあげて、そんなこと言うのは。
でも、次の瞬間に、私は大笑いして、おもしろいじゃん!って言ってた。
こーゆーの、好きなんである。「誰がどうやっても飛ぶ馬を用意したから、ちゃんと飛んできてね」っていうより、よっぽど面白い。
これなら、出てもいいよー。っていうか、喜んで出させていただきます!
もう、俄然、やる気でる。「ホセは、メーター、飛ばんだろ!?」とか周囲に言いつつ、(みんな渋々同意するよ、)飛ばしてやる気満々になってくる。
んで、おとといの練習で、ホセ乗って、二回止まって。
でも、ガンガン行けば、飛ばないことないな、って確信も得て。
さあ、試合開始だ。二週間前までは、ダメもとで気楽だったのに、おととい練習で乗ったばっかりに、この程度の障害で落とせない、まで私の意識は高まってる。
ひとり乗ったあとに、二鞍目の出番で、私にまわってくる。
またがって、軽く速歩して、駈歩して、ゴー・スローダウンを確かめたら、速歩でクロス飛んで、駈歩で垂直飛んで、そのままオクサー飛んで、ああ、もう呼び出しがかかったよ。
入場して、敬礼。駈歩だして、巻乗り、そのまま一つ目に右手前で向かってく。
一つ目は難なく飛越、二つ目までは遠い。
一定のリズムを保つようにして、右へ回転するとこは意識的に強く、二つめに向かう、飛越、後肢が障害にかかったか、ちょっと音がして、振り返ったけど、バーは落ちてない、フゥ。
右回転して、ここで強く。三番目は、右90度回転してすぐって感じなんで、曲がる前に、前に出していく。強く出して、うけて、右に回転して、障害に真っ直ぐ向く、ウリャ! 飛越。続く四番も勢いで、飛越。
自然に左手前になってる。あー、三番、四番、よく飛んでくれた。四番で、また後肢が触れたような気がしたけど、バーは落ちてない。
んなことしか考えてないまま、左に大きくまわる。
正直、このときの記憶が、ない。終わったあと思ったんだけど、ボケーっとしてたとしか思えない。(後で、「四番のあと、人が、休憩してました」と私は語ったんだけど、まあ、そんな感じだったんでしょう。)
ラチ沿いから、左に曲げたとこで、「あれ?弱い?」ってことに気づいた。
グッと脚入れて、あわてたように前に出す。5番は垂直、飛んだら角度左に振ってあって6番。
まったく意味のないことなんだけど、私はホセカレーラスの右手前のバランスには懐疑的だったのに、左手前はいい駈歩できることを知ってたから、何の疑問もなしに、根拠のない自信を持ってた。左手前は何もしなくても飛ぶさって。
実際、内心では、今回の経路の、8つの障害のなかで、左手前が5番6番のふたつだけで、あとは全部右手前なのが不満だったほど。7番まで無事に飛んだら、すごく距離のある8番へは右回転だけど、真っ直ぐ向いたら(8番はいちばん高いから得意なほうがいいと思い)左手前に替えて飛んでやろうかと思ってたくらい。
なので、左手前で入る5番は、私のなかでは、いちばんイージー、極端な言い方をすれば、速歩でも飛ぶと思ってた。
ところが、助走が非常にあやしい、障害の前、2歩か3歩かで、仕掛ける、そーゆーことはうまくいかない。
ムリなんだけど、連れてけば何とかなるさ、って私の淡い期待は、当然のごとく、裏切られ、ホセカレーラスは、ビタ止まり。
拒止でやりなおせばいいのにね。
あらぁー、って思った私は、馬の前に投げ出されて、一回転。背中から着地、背負い投げ一本!
背中の広い部分から地面に接した瞬間、あー俺って落ちかたうまいよな、って、またしょーもないことが脳裏をよぎる。
落馬失権。
きょうは、左の手綱は放してないぞ、って思うんだけど、ホセが逸走してないんだから、べつに偉かぁないよね。
(※9月6日付記 後日、落馬した瞬間の写真を見せられたら、落ちても放していないのは右手の手綱だった。かくも人間の記憶はいい加減である。それにしても、翌日右腕(肘から手首までの間の内側)の筋肉が痛かった理由がわかったのはホッとした。)
残念。
終わってから、いろいろ反省。
敗因は、ひとつ。ちゃんと馬を前に出してかなかったこと。
落馬って事象自体は何の問題もない。たとえ、それが拒止であっても、私にとって大差はない。
なんで、もっと、ちゃんと前に出してかなかったんだろーな、って部分の反省は落ちても落ちなくても一緒。
でも、ホセカレーラスみたいな馬、ひとつ飛ぶたびに次の障害に向けてガンガン出してかなきゃならない。
そのことに、そーまでにすることに、何の意味があるの?って、きょう帰ってきてから、思っちゃった。
障害向いたら、「お!あれ飛ぶの?あれ飛ぶの俺の仕事!」ってなる馬と、障害向かってくのは楽しいんだけどね。
飛ばない馬を、むりくり飛ばそうとするのは、あんまり気が進まないなぁ。
でも、今日の拒止・落馬は、すごく良い経験だったので、今後、あいかわらず障害飛ばない路線に行くのか、ちょっと2,3ヶ月でも(思い切って、初めて)真面目に障害を飛ぶことに取り組んでみるか、ってのは今迷ってるところ。
でも、それはいいけど、顔(目の下)と腕が日焼けしちゃったんで、本格的練習開始は、やっぱ10月になってからにしよー、っと思ったもんでした。
※8月29日付記
試合始める前に、6時から、この日は試合に出場しないエイワヴァージニアに乗った。