many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

村上朝日堂はいほー!

2009-07-31 20:17:26 | 村上春樹
村上春樹 1989年 文化出版局
やおら村上春樹読みたくなって、もう一丁。
エッセイですね。
「村上朝日堂」ってのは、これより前に週刊朝日かなんかに連載してたエッセイのタイトルなんだが、この本は「ハイファッション」(←私は知らない)に連載されてたんで、朝日は関係ない。けど、まあいいや、そんな感じで、って思う。

私がこの本でいちばん好きなのは、「『うさぎ亭』主人」という一節。
うちの近所に「うさぎ亭」という店があって、そこで食べることのできる昼ごはんのおいしさと、そこの主人は過去が謎に包まれた人であるという話なんだが、これは私生活の描写のふりして、まちがいなく創作なんぢゃないかと私は思う。
ここまで、まんま村上ワールドな舞台と登場人物が、現実にいるとは思えないからである。
>生きているみたいにぴちぴちとしたスパゲティーと歯ごたえのある新鮮なきのこの酢味噌あえで
とか
>この麦飯がざっくりとした肌ざわりの大ぶりの茶わんで出てくると、香ばしい麦のにおいが店じゅうに
とか
>かなり大きめのコロッケが二個盛られて出てくるが、無数のパン粉が外に向けてピッピッとはじけるように粒だち、油がしゅうしゅうと音を立てて内側にしみこんでいくのが目に見える
とかってとこを読むのは私は大好きなんだが、まるで「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のイタリア料理屋の場面を読むようで、まあ創作だろうと感じてしまうのである。

もうひとつ好きな話は「チャンドラー方式」というやつで、小説を書くときの作法である。
レイモンド・チャンドラーがやったように、一日のうち2時間なら2時間を机の前に座って、たとえ小説が書けないときでもじっとしているという教えである。
>今は一九八三年の春で、僕は三十四歳である。僕は机の前でいつまでもぼんやりしている。本当にそのうちにまた何か書けるようになるのかな、と思う。今は何も書きたくないのだ。どうしてかは知らないけど。
なんていうのを読むと、氏の長編の発表ペースはすごく間隔が長く感じるんだけど、じっと新作を待つという気になれるのである。
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カンガルー日和

2009-07-30 17:24:21 | 好きな本
村上春樹 1986年 講談社文庫版
昨今の村上春樹ブームのせいもあって、前に読んだ本を読み返したりしはじめている。(私の村上春樹読書歴は1985年から。)
やっぱ、このひと、うまいのである。質はちがうけど、日本の小説で、うまさといえば村上春樹か丸谷才一かと思う。
それはともかく、「そういやぁ『カンガルー日和』、ひさしぶりに読みたいな。あれ面白いんだよな」と思い立って、本棚、押入れ、探したけど、無い。
ほかの本は大概でてきたんだけど、カンガルー日和(文庫版)だけ見つかんない。
しかたないので買ってきた、ことし6月で第65刷になっていた、おそるべし。

この本(ショートストーリー集っていうの?)はおもしろくて好きである。
もしかしたら村上春樹のマジメな一部の小説より好きかもしれない。「風の歌~」「~ピンボール」「羊~」「世界の~」「中国行きの~」ときて、これ読んだんで、あー、こーゆーのも書くひとなんだーって思ったような気がする、当時。
ひとつひとつ今読めば、玄関マットとか、あしかとか、スパゲティーとか、羊男とか、ドーナツとか、80年代的村上春樹のキーワード(?)が、あちこちに散りばめられてて笑える。

若いとき、これは面白いよって女性によく薦めてたからなぁ、誰かに貸して、そのままになっちゃったのかもしれない。どこいっちゃったんだろう?この本なくすなんて、ありえないんだけどなぁ。

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SINGLES 1987-1992

2009-07-29 07:17:32 | CD・DVD・ビデオ
PRINCESS PRINCES 1992年 ソニーミュージック
プリンセスプリンセスのベスト盤。
っていうか、要は「世界でいちばん熱い夏」である。
夏のいま時期に、車のなかとかで聴くと、とても気持ちいいので、ずっとリピートにしたまま走りつづけたりしてる。

「世界でいちばん熱い夏」は、学生のとき先輩の家にあがりこんで麻雀を打っているときに聴き続けていた記憶が、いつも蘇ってくる。
リピート機能のCDなんかぢゃなくて、編集したカセットテープをかけていたんだが、繰り返してこの曲が録音されてて、3回くらいずっとこの曲を聴いた後、「気持ちいいだろ、この曲?」「いいっすね、この曲!」「だから、もう一回入ってんだよ」って、またまた同じ曲が始まって笑った、そんな記憶。

さあ、今日も朝から一回聴いて、テンションあげてみよーっと。

あと、個人的には、夏といえば、渡辺美里。
渡辺美里のある曲をかけると、ドイツ語の夏の宿題を思い出したりする。(一日にアルバム1枚分の時間だけ勉強するノルマを自分に課してた。)
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ウルトラセブン

2009-07-28 17:41:10 | CD・DVD・ビデオ
2004年…かな? 発売元:ピーディディ
特撮ヒーローものったら、なんといっても「ウルトラセブン」である。
前から欲しかったのだが、何年か前にアブク銭が手に入ったときに勢いでボックスを買った。
本編全12巻・48話(例の第12話は欠番)、ぶっ通しで見たら1283分という大作である。
ウルトラセブンのよさは、なかなかひとことでは言えないが、セブンや星人・怪獣のデザインのセンスがいいってのがひとつ。バトルシーンもかっこいい。
同様に、メカもかっこいい。ウルトラ警備隊のウルトラホーク1号とかポインターとか。
それから、ストーリーがいい。暴れてる怪獣をやっつけるのが多いウルトラマンとかに比べて、侵略を企てる宇宙人(○○星人)の登場が多いような気がする(数えたことはない)。
それなりに地球までやってくる理由がありそうで、迎え撃つモロボシ・ダンも実は地球人ぢゃなかったりするから、それなりに苦悩しちゃったりする。地球を防衛しなきゃいけないのは確かなんだけど、正義とは何かとか考えようと思えば考えさせられちゃうとこが超単純な勧善懲悪ものとは違うような感じで、いい。
あと、音楽とか、映像、いいですねー。有名どこだと、メトロン星人との夕日の決闘とか、最終回のダンとアンヌの会話シーンとかあるんですが、とにかくカメラアングルとか照明とか、子供向けとは思えないほど凝ってると思います。

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コンドールマン

2009-07-27 19:11:47 | CD・DVD・ビデオ
2009年 東映ビデオ

前回、前々回に書いたような本を読んでたら、なんか子供のころに見てたような特撮ものが見たくなるんで困ったもんである。
ほんとは、うっすらとしか記憶がない「レインボーマン」、特にそのなかの「死ね死ね団」の描写が見たくてしょうがないんだが、あれはちょっと巻数が多いみたいなので、手を出しかねている。
手頃なDVD2枚組×2巻ということで、今回はコンドールマンを買ってしまって、見ている。全24話、一日30分ずつ時間をつくってはポツポツ見てる。
コンドールマンは、たぶんリアルタイムで見ていたのではないかと思うのだが、ストーリーも細部もほとんど憶えてはいない。
ただ、モンスターの造作がとても特異だったような記憶はあって、頭のネジをまくマッドサイエンティスト風なキャラとかに魅かれるんである。
で、唐沢商会の著書にあったもんだから、潮健児(うしおけんじ)氏(=仮面ライダーの地獄大使)の活躍ぶりをチェックするっていうのも目的のひとつだったんだけど、第七話にしてようやく出てきて、ものすごい存在感を示してくれたのはいいんだが、すぐにやられてしまった。
モンスター一族の例、写真の向かって右は“ゼニクレージー”、ね?面白いでしょ、このセンス?(左上が潮健児)

ちなみに、地球の汚染は自分の利益だけを求める人間たちの仕業であり、その醜い人間の欲望からモンスターが生まれた、っていうのが基本コンセプトです。さすが、月光仮面、レインボーマンと同じ原作者・川内康範。
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